人が宇宙に行くために
持続的な月面探査に向けた中継基地として月周回軌道上に構築される有人拠点(Gateway)において、日本は居住棟(I-Hab)の生命維持システムなどの提供を行うことになっています。その中でも私は、居住棟に搭載される熱制御のための機器の開発支援を行っております。
開発と言っても機器本体を製作しているのではなく、Gatewayに搭載するためには満たさなければならない数多くの要求について、メーカやJAXA、その他国際機関との要求調整を行ったり、要求に対する検証を確認したりというような業務をしています。
大学院では「テスラポンプ」と呼ばれる層流摩擦ポンプを製作し、その性能やポンプ内での流れ場に関する研究を行っておりました。テスラポンプはドーナツ状のディスクを何層にも重ねたような内部構造をしており、理論的にはディスクの大きさによらず一定の高効率を出すことが出来るとされています。しかし、ディスクを出た後の流れ場がとても複雑であり、実験効率は理論効率よりも格段に落ちてしまうので、研究では理論と実験での差を明らかにするために実際の流れ場を可視化できるように様々な実験を行っていました。
小さいころからロケット、探査機、宇宙飛行士といったニュースには目がない子供でした。学生時代に宇宙飛行士の方の講演会に参加し、宇宙に行かれた際の話を聞いて、宇宙飛行士たちが活躍する場で私も一緒に働きたいなと思うようになったのが宇宙業界を目指すようになったきっかけです。
仕事のやりがいと大変なこと。またそれが楽しさに変わった瞬間。
私の業務は特に外国の宇宙機関との調整が多く、言語の面だけでなく、その国の技術的な常識が日本と違うことに日々苦労しています。それでも、要求される文書を読み解いたり、国内外のエキスパート達と議論を重ねることでお互いが合意できる点を見つけられたときはとてもやりがいを感じました。
私はやりたいことが割と明確なタイプであったので、自分のイメージに近くなるような選択をしてきましたが、選択肢が多くなるほど悩んでしまうのは仕方ないと思っています。就職が大きなターニングポイントになることは間違いないと思いますので、自分の譲れないポイントがどこなのか、就職活動を通して見つけていければ、きっと皆さんの選択の手助けになると思います。大変だとは思いますが、自分のなりたいイメージを目指して頑張ってください。