「SEDとして、日本として、宇宙開発を担う一員になる!」
入社してから現在に至るまで、JEM曝露部実験装置の運用管制業務に従事しています。JEMとは、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」のことで、船外に取り付けられた実験装置の運用管制を行っています。
具体的には、ブラックホール、ガンマ線の観測装置、石油資源探査装置の運用、民生品のカメラ(Sony、Canon)を使用した、宇宙機・天体イベントの撮影を行っています。
学生時代は、結婚式場のアルバイトをしながら、宇宙系のいくつかの団体に参加していました。参加していた団体は、宇宙広報団体の「TELLSTAR」と、宇宙関連企業を集めた合同企業説明会の運営をする「宇宙就活」の二つです。
これら二つの団体に入っていてよかったことは、日常的に宇宙に関する情報収集ができたこと、宇宙業界の企業分布(どの企業が何をしていて、何が強みか)が理解できたことです。結果として、自分のやりたいことが発見でき、就職活動から 、現在にもつながっていると思っています。
私が考える就職活動とは、自分と向き合い、最大限に自分を表現する活動だと思っています。
私は、院進するつもりで入学しましたが、学部2年のときに、就職することを決意しました。理由は、少しでも長く、ISSの運用に携わりたかったからです。同時期に、就職活動の第一歩として、宇宙関連の企業について調べるために、宇宙就活(宇宙関連企業の合同企業説明会)に参加しました。そこで、自分のやりたいことが見つかり、どんな企業があって、何をしているのかを理解することができました。
皆様にお伝えしたいことは、何かを得るためには、何か行動に移さないといけません。行動に移すことをためらわないでください。直感でもなんでもいいです!とにかく行動に移せば、良い悪いに限らず、何か得られるはずです!その繰り返しで、自分の納得行く結果が得られると思います。
院進せずに、就職してよかったことは、大きく3つあります。
・入社1年目から、ISSの運用者として宇宙開発に貢献できる。
・すべてのことに対して柔軟に考えることができ、いろんな意見を取り入れることができる。
・学部生の強み(積極性、協調性、柔軟性など)を発揮しやすい。
私も就活時代に、宇宙業界を目指す院生と対等あるいは、それ以上で戦えるのかと悩んだ時期もありました。様々なインターンシップなどに参加する中で、学部生にしかない強み、院生にしかない強みがあることに気づき、自分の強みをさらに生かせれば、対等以上に戦えると感じました。実際に、インターンシップのグループワークでは、自分からリーダー役や、発表役を申し出ていました。
自分の強みを伸ばすことで、SEDの社員として、宇宙開発を担う一員として、今の仕事に従事することができています。
私が宇宙を好きになったきっかけは、高校2年生の時にペルセウス座流星群を見たことがきっかけです。その時からぼんやりと、宇宙業界で仕事をしたいと思うようになりました。宇宙業界で仕事がしたい!と決心したのは、大学2年の時に、宇宙就活という、宇宙関連企業の合同企業説明会に参加したことがきっかけです。
その中で、宇宙飛行士のインストラクターという仕事があること、インストラクターのやりがいを知り、私もインストラクターになりたいと思ったことが、宇宙業界を志望するきっかけです。
私がSEDを選んだ理由は2つあります。1つ目は、宇宙飛行士のインストラクターができる可能性があること。2つ目はSEDの社員の方々と一緒に宇宙開発に携わりたいと思えたことです。
私が就職活動中、一番重要としていたことは宇宙飛行士のインストラクター業務ができるかどうかでした。宇宙の仕事はしていても、インストラクターができる会社は数社しかなく、そのうちの一つがSEDでした。
その数社のインターンシップや説明会すべてに参加した中で、社員の方々の楽しそうな雰囲気、一緒に働きたいと心から思えたのがSEDでした。
SED社員の方々は、インターンシップ、会社説明会などで、どんな質問をしても、丁寧に答えてくださり、目が輝いていました。そんな方々と一緒に宇宙開発の仕事ができれば、私も楽しく成長できるのではと思い、SEDに入社することを決めました。
仕事のやりがいと大変なこと。またそれが楽しさに変わった瞬間。
仕事のやりがいは、身をもって宇宙の仕事ができていると感じながらISS運用の一員として、貢献できていることです。
具体的には、ISSの運用管制員になると、ISSからのリアルタイムの地球の映像や、宇宙飛行士の活動を見ることができるので、身をもって宇宙の仕事ができていると感じることができます。
また、ISSの運用/維持するために、自分の判断や対応が直結しているという責任感を持ちながら、仕事ができています。不具合対応の際は、自分の判断で故障寸前から復旧できたこともありました。その瞬間は先輩方が続けてきたことが途切れなくてよかったと安堵し、今まで訓練してきたことが報われたと感じることができました。
宇宙から私たちの住む地球の撮影をした時です。地球の写真や画像と、実際のリアルタイムの地球では全く異なります。思っている以上に青くて、とても綺麗です。これは、宇宙飛行士や、私たち管制員のように実際に体験しないとわからないと思います。私は、今でも宇宙からの地球を見る度に、地球という星を大切に扱わないといけない、今の生活に感謝しないといけないと感じます。
学生時代に学んできた、体験したことで仕事に役立っていること
私は学部卒ですが、論理的に考えることは仕事に役立っていると思います。
当たり前ですが、論理的思考力は、学生よりも社会人の方がより求められます。なぜ、何のために、何が目的で、といったことを考え理解することは、仕事においてとても重要です。学生時代から少なからず論理的力を養っていたことで、今の仕事でも同様以上に考えることができています。
優先順位の判断できる能力、無難に最後まであきらめずに遂行する能力、不具合発生時でも冷静に対応する能力など、仕事をする上で大切な能力はたくさんありますが、私が一番大事だと思う能力は、コミュニケーション力です。
理由は、コミュニケーション力はすべての能力の土台となる能力だと考えているからです。わからないことが発生したとき、状況を報告するとき、同僚や上司と会話するとき、すべてのシーンでコミュニケーション力は不可欠です。相手は理解してくれるだろう、といった思い込みからミスに繋る可能性もゼロではありません。そのようなミスを防ぐためにも、自分の思いを伝えるためにも、コミュニケーション力は重要だと考えます。
入社前は、SEDって宇宙の仕事幅広くやってるんだなーぐらいに思っていましたが、入社後に感じたことは、今の宇宙開発はSEDあってこそ成り立っているもので、SEDがいなくなれば、うまく機能しないということです。
ISSに「きぼう」が打ちあがる前から仕事をしていたという方がいらっしゃたり、JAXAや他社からすごく頼りにされていることが、入社2年目の私でも感じることができます。(縁の下の力持ちのような感じ)
職場の雰囲気は印象の違いはあまりなかったです。インターンシップや、説明会で社員の方との交流が多くあったため、思っていた通りでした。
宇宙の仕事をしているというと、すごい!とか何をしているのか?といった反応が多いです。しかし、説明するにしても抽象的にしか説明できないので、なかなか説明しずらいところです。
SEDはどこの部署に行っても必ず宇宙の仕事に関われます。ほかの会社・企業では宇宙の仕事が制限されていたり、偏った分野でしか関われないといったことがあります。
しかし、SEDでは、ロケットの打ち上げ前準備から、運用まですべての工程において関わることができます。すなわち、SEDなしでは日本の宇宙開発はうまく機能しないということです。
私が今後挑戦したいことは、宇宙飛行士のインストラクターです。就活の時から、今までずっと挑戦したいことです。ISSの運用終了が2030年頃であり、挑戦ができる期間はあまり残されていませんが、必ず従事したいと考えています。さらに、月面の有人探査が始まった際、宇宙飛行士に、地上で教えたことを月面で実践してもらうが私の夢でもあります。