宇宙科学研究の「縁の下の力持ち」!
【運用調整業務】
宇宙科学研究所が管理する科学衛星/探査機の、主に内之浦/臼田/美笹のアンテナを用いた運用計画を作成する業務です。各衛星プロジェクトが希望する運用内容や時間を集約し、衛星間/アンテナ間に競合が発生しないように調整会議にて調整します。
【ツールの機能改善業務】
運用調整業務にて運用計画を作成する際に使用しているツールの機能を改善する業務です。運用調整担当からの改善提案をもとに、より便利かつ正確に運用計画を作成できるツールを目指します。
天文学の系外惑星という分野の研究をしていました。系外惑星とは、太陽系の外にある惑星のことです。新しい系外惑星を発見し、それらの特徴を明らかにすることは、系外生命の存在の有無や、惑星の形成過程といった、まだ不明点の多い謎の解明に繋がると期待されています。私は、「すばる望遠鏡・CIAOとKeck望遠鏡によるDE Tau(*)の高解像度撮像データの解析」をテーマとして、すばる望遠鏡やKeck望遠鏡で観測された、惑星保有の可能性があるDE Tauという天体のアーカイブデータを解析することで、新しい系外惑星の発見を目指しました。膨大なデータの解析の結果、遂に惑星候補の発見に成功しました。しかしその後、発見した惑星候補が本当に惑星かどうかを判定するために固有運動を測定した結果、残念ながら惑星ではなく、前景星または背景星であることがわかりました。惑星候補は太陽系の惑星とは大きく異なる特徴を持つ可能性があったため、本当に惑星であったなら大発見でした。非常に悔しかったですが、データ解析を進めていく中で高まっていった期待と興奮は今も忘れられません。
*DE Tau=地球から130pcほど離れた、おうし座のあたりにある星。DE Tauri。
勉強(研究)とサークルとアルバイトで忙しい毎日でしたが、濃くて充実した学生生活でした。試験が近くなってもサークルやアルバイトが入ることが多かったので、勉強は試験の前だけではなく毎日コツコツやっていました。学部4年間、ソフトテニスサークルに所属しており、アルバイトは塾講師をメインにやっていました。研究室のメンバーとは研究の息抜き(?)として、一緒にランニングしたりフルマラソンのリレー大会に出場したり、富士山に登ったりする程仲がよく、多くの思い出を作りました。卒業旅行でフィンランドにオーロラを見に行ったのが一番の思い出です。
就職活動は学生生活の中で最も力を入れたことの一つです。人生の大半は仕事の時間になるので、就職活動は人生で非常に重要な分岐点であると私は考えています。インターネットの情報だけではなく、興味のある企業の方に直接コンタクトをとったりして、自分が知りたい情報をいかに満足いくまで得られるかにこだわりました。
小学生の頃にしし座流星群を見たことをきっかけに宇宙に興味を抱き、その後も興味は深まり、大学では天文学の研究をしました。就職すると決めた時、やはり自分にとって興味のあることを軸にした仕事をしたいと考えた結果、第一志望の業界は必然的に宇宙業界になりました。
インターンシップに参加して、配属先がどこになっても宇宙に関わる仕事ができると知ったから。
科学衛星に携われる可能性があると知ったから。
仕事のやりがいと大変なこと。またそれが楽しさに変わった瞬間。
運用調整業務をやるうえで、各衛星プロジェクトの方々の運用のご希望などが競合してしまうことが多々あります。そんな状況でも、よりよい科学成果を上げることに結びつくような最善の運用計画案を考え、関係者の方々と調整します。調整が難航した時は心が折れそうになりますが、調整に関わった多くの方々に納得いただける結果に落ち着いたと実感できた時、達成感もひとしおです。
自分が作成した運用計画案の通りに科学衛星や探査機が実際に運用されていると悟った時。
学生時代に学んできた、体験したことで仕事に役立っていること
何事も時間を決めてけじめをつけて行動すること。大学の学部2年まで、休憩時間や睡眠時間を蔑ろにして日々全力で過ごしていましたが、ある時生活習慣や時間の考え方を見直し、休憩時間や睡眠時間はどんなに忙しくても割り切って確保するようにしました。時間が決まっていると、必然的にデッドラインを意識することになるので集中力が増し、休憩時間や睡眠時間を削るよりも効率がよくなることに気づきました。
コミュニケーション能力。仕事は一人でやるものではないので、多くの人と連絡を取り合うことが必須となります。その時に自分が伝えたいことをいかに相手にわかりやすく伝えるかが重要になってくると思います。
第一声は必ず「すごい」。
他人が羨む仕事ができていると実感できて、日々の仕事のモチベーションに繋がります。
昨年末に取得した第一級陸上無線技術士の資格を生かして、科学衛星の運用業務に就くこと。
第一志望の企業に合格できるかという以上に、無事就職活動が終わった時に、自分が納得いくまでやりきったことを実感できるかが重要だと思っています。自分がやれるだけのことをやりきった結果合格が決まった企業に入社して後悔することはきっとないだろうと思うからです。誰のためでもなく、自分のために、やれるだけのことはやりきってみてください。