INTERVIEW
社員インタビュー

2020年入社
宇宙輸送事業
輸送システムグループ
S.A.
東北大学大学院
工学研究科
機械機能創成専攻

2020年入社 宇宙輸送事業 輸送システムグループ	S.A.
これまでの業務
2020年度~現在
飛行安全解析業務
飛行安全運用業務

守れ、安心・安全!飛び出せ、宇宙!

現在の仕事
主に飛行安全解析という業務に取り組んでいます。ロケット飛行中に何か問題が起きたとき、地上にどのような影響があるか、どうしたら被害を出さずに済むか、について解析しています。この解析結果に基づいて、ロケットを飛ばすことができるかどうか判断されるため、重要で責任を感じる仕事です。
基本的には中野本社での解析業務に取り組んでいますが、打上げ期になると種子島に舞台を移し、打上げ運用も行っています。打上げ運用を監視し、場合によっては地上を守る判断もする管制員のコンダクターをしています。
ロケットの解析段階から実際の打上げまで仕事にできる、魅力のある仕事です。
大学(院)の研究内容
表面張力差によって発生する温度差マランゴニ対流に対して、ふく射伝熱が与える影響を可視化する、という研究をしていました。このマランゴニ対流には気液自由界面の伝熱現象が影響を与えることが分かっており、私はふく射伝熱の影響について調べていました。ふく射伝熱は直接触れずに電磁波で熱を伝えるもので、電子レンジと同じ仕組みです。
マランゴニ対流は重力による流れよりも小さいため、ISSのきぼう実験棟で微小重力実験も行われています。地上での実験では、重力の影響を抑えるための制限もありますが、その制限を活かして、地上でも温度場を可視化できないか実験をしていました。
今の仕事とは直接関係はないものの、宇宙に関わる研究でした。
学生生活について
学業に励み、サークルやアルバイトにも精を出す、という点では普通の学生でした。
自転車で1時間かけて宇宙飛行士の講演を聞きに行ったり、縁があって会社の社長さんや大学生協の理事の方など経験豊富な方とお話ししたりと、多様な経験をされた方の話を聞く機会があったことは有意義でした。海外の大学に行く機会もあり、価値観の違いを肌で感じるいい経験になったと思います。振り返ってみると、自分がやってみたいと思ったことに挑戦していた学生生活でした。
また、実はロケットサークルにも所属していました。直接繋がった知識は多くありませんでしたが、飛行安全に惹かれたことに影響があるかもしれません。
就職活動について
学部3年生のときは大学院に進むつもりで勉学に励んでいたため、就職については考えていませんでした。学部の卒業が近付いてきた頃、院進しない友人の話を聞きながら就職について考え始めました。
私はどんな仕事をしたいか、を主軸に捉えていたため、就職を考えたとき、真っ先に「やりたい」と思ったのは宇宙業界での仕事でした。最初は他の業界の話も聞いて迷っていましたが、インターンや説明会を経て、後悔はしたくないと、宇宙業界一本に絞りました。
宇宙業界を志望するきっかけ
幼い頃に「宇宙から見た地球」の写真を見ました。あまりに綺麗だったため、今でも鮮明に心に残っています。
そのときの感動が胸に残っているため、大学も含め、進路を決める際には自然と宇宙業界を見据えて選んでいたように思います。ずっと応援してくれた家族には感謝しかありません。
就職活動の時期が近付き他の業界への就職も考えましたが、幼い頃からの思いを捨てられず、宇宙業界を志望しました。この選択を後悔することはないでしょう。
SEDを選んだ理由
まず、どの部署でも宇宙開発に最前線で携わることができる、という点は大きな理由の一つでした。仕事場を宇宙にしたい、という思いは譲りたくなかった自分にとっては、非常に魅力的でした。業務内容としても、ロケットの飛行安全という特色ある業務に特に魅力を感じ、やってみたいと思ったためです。
また、インターンでお話しした先輩社員の方々が話しやすく、雰囲気が自分に合っていると感じたことも大きな理由でした。実際に入社し、自分が感じたことは間違っていなかったと実感しています。
仕事のやりがいと大変なこと。またそれが楽しさに変わった瞬間。
解析の報告会前やロケットの打上げ期は、確認事項も多く忙しいです。しかし、地上の安全を守り、ロケットが無事に宇宙空間に達するために必要な仕事である、ということが仕事のやりがいになっています。
また、ロケットが安全に飛ぶために、自分の取り組んだ作業がどのように活かされるか分かったときや、自分が解析に携わったロケットが実際に打ち上げられるときは、それまでの大変な思いが全て喜びに変わります。
特に後者は、飛行安全解析業務でしか感じられない思いではないでしょうか。
仕事をしていて興奮した瞬間
一番興奮したのは、自分が解析に携わったロケットの打上げ運用業務のときです。
実際に種子島の施設に入ったときは、打上げ直前ということで独特の空気と緊張を肌で感じました。私はあまりに緊張していたため、準備期間はあっという間に終わったように感じました。
自分が実施した解析作業が確かに打上げに繋がっていることを実感できたとき、自分が最前線で仕事をしているのだという興奮を覚えました。
仕事をするうえで大切だと思う能力
「コミュニケーション能力」だと思います。相手の意図を読み取り、相手に自分の意図を分かりやすく伝える能力のことです。
特に飛行安全解析では、ひとつのミスが地上の安全を脅かす場合もあるため、チーム内で情報を共有し、着実かつ効率的に業務を進める必要があります。作業の進捗、スケジュール、解析条件など、調整事項は多いです。仕事は人と人で行うため、最も大切になってくるのはコミュニケーション能力だと思います。
自分にとってもまだ伸ばせる部分と感じているため、日々意識しながら仕事に取り組んでいます。
入社前と入社後での会社の印象の違い
宇宙開発としてニュースなどに取り上げられるのは、挑戦的な開発の成果が多く、学生のときは私もそのイメージがありました。しかし色々な話を聞き、業務に取り組んでいく上で、ニュースで取り上げられるような挑戦的な成功も、SEDが普段行っている着実な運用あってこそだと思うようになりました。ここがSEDに入社して一番違いを感じている部分かもしれません。
仕事場の雰囲気については、あまり印象の違いはありませんでした。SEDでは先輩社員の方とお話しする機会を多く設けてもらい、色々と教えてもらっていたため、教えてもらっていた通りの職場環境だと感じています。
宇宙に関わる仕事に就いて、周囲の反応
宇宙業界で働くと幼いころから言っていた影響か、家族にはあまり驚かれませんでしたが、ロケットの打上げを楽しみに待ってくれていることは自分も嬉しいです。
友人と仕事の話をしても驚かれます。仕事内容については話せないこともありますが、話せないことすらかっこいいと喜んでもらえる場合もありました。自分の仕事への誇りをさらに強く感じる瞬間でした。
SEDのここが自慢
やはり一番の自慢は、どの部署でも宇宙開発の最前線で仕事ができることではないでしょうか。
宇宙が好きな人に囲まれて、宇宙開発を仕事にして最前線で働く。宇宙が好きな人にとっては夢のような職場かもしれません。
特に飛行安全業務のように、SEDでしかできない仕事に取り組めることは、喜びとやりがいを感じます。日本の宇宙開発を支えているという誇りと実感が持てる職場です。
今後挑戦したいこと
今後挑戦していきたいことはたくさんありますが、特に新型ロケットの解析・運用や、これまでの解析を活かした新しい業務に挑戦していきたいです。
今までは目の前の業務で精一杯でしたが、より正確かつ効率的に実施することで、新たな挑戦のための余裕が生まれると思います。そのため、先を見据えて目の前のことからコツコツと積み重ねていきたいと思っています。
就職活動中のみなさんへメッセージ
就職に対して、何を一番重要と思うのかは人それぞれです。エントリーシートに書く内容も含め、たくさん悩むことになるでしょう。しかし一人で悩まず、先輩や友人、家族など周りの人に積極的に相談してください。そうして見つめ直したとき、自分の目指すところが見えてくると思います。
あなたが今、一番「やりたい」仕事は何か、じっくりと考えてみてください。考えた結果が同じ職場であれば嬉しい限りです。
学生のみなさんへメッセージ
「ロケットの解析」と聞くと、「特定のプログラム言語を把握していないとできない」や「ロケットについて詳しくないとできない」と思われがちですが、決してそんなことはありません。私自身、ロケットや解析とは直接は関係ない研究をしていましたが、部分部分で今まで学んだことを活かす機会があります。飛行安全を志望し、今も勉強しながら解析をしています。
宇宙開発を仕事にしたいという熱意があれば、研究が直接関係なくても、せひ一緒に働きたいです。宇宙開発の最前線でお待ちしています。