最終更新 2022.05.12
日本時間2022年5月3日(火)午前7時49分に、34機の超小型衛星を搭載したエレクトロンロケットが、ニュージーランド マヒア(Mahia)半島から打ち上げられました。このミッション There and Back Again は、マヒア半島の2つの発射場の1つLC-1Aから行われました。
ロケットの第1段ブースターをヘリコプターで空中回収するという目標に向けて何度かデモンストレーションを重ね、今回は記念すべき日となる予定でした。回収までの手順を全て実施はできなかったものの、第1段のパラシュートによる減速とヘリコプターによる追尾と一時的な捕獲に成功し、着水後に船舶での回収に成功しています。今後、再飛行のための手順の確認をした後、数か月内に再度の試みが行われるということです。エレクトロンロケットの打ち上げは通算26回となりました。
下記34機の5cm角のポケットキューブ(PocketQube)規格の超小型衛星の軌道投入にも成功しています。
E-Space
E-Space社の3機の実証衛星。メッシュ型通信衛星ネットワークの技術検証のための衛星。高レベルのセキュリティ、柔軟性、耐障害性を維持し、安全な通信から遠隔地のインフラ管理まで幅広い用途で、動的に機能を拡張できる民間衛星コンステレーションのための実証機。年単位のコンステレーションをスピーディに構築実施する。 (E-Space社)
AuroraSat-1
フィンランドの Aurora Propulsion Technologies社の衛星。水由来の推進剤を利用した推進ジェットやプラズマブレーキ、持続可能な宇宙利用を意識した宇宙船のハードウェアなどを試験する。プラズマブレーキは、マイクロテザーと宇宙空間の荷電粒子、電離層プラズマを組み合わせ、寿命を終えた宇宙船を安全に軌道から外すために大量の抗力を発生させる展開型のものである。 (ロケットラボ社) (Aurora Propulsion Technologies社)
BRO-6
フランスの UnseenLabs社の衛星。広範囲の無線発信器を識別・認識・追跡する独自の技術を運用し、海上監視のための独自データを収集・処理する。2022年に全体をカバーするという。 (UnseenLabs社)
Copia
Astrix Astronautics社の衛星。展開式の太陽発電システム。小型衛星の電力制限を改善する。 (ロケットラボ社Twitter) (Astrix Astronautics社)
SpaceBEE
Swarmテクノロジーズの衛星。Swarmテクノロジーズの0.25U程度(食パン1枚ほど)の大きさの低レートネットワーク衛星。
MyRadar-1
Alba Orbital社の米国の顧客Discovery, Beyond Earth向けの衛星。人気天気予報アプリMyRadarを所有するドイツのAcme AtronOmatic社の運用する衛星。技術試験を行う。 (ナノサット社) (ロケットラボ社) (MyRadar社)
TRSI-2, 3
Alba Orbital社の顧客Acme AtronOmatic向け衛星。
Unicorn-2
Alba Orbital社独自の衛星。世界中の光害を監視するために設計された光学夜間画像ペイロードを搭載。 (Alba Orbital社)
source : ロケットラボ社