公開日 2022.01.17|最終更新 2022.02.02
日本時間2022年1月14日(金)午前0時25分に、105機の衛星等を搭載したライドシェアミッション トランスポーター3(Transporter-3)が、ファルコン9ロケットで打ち上げられました。打ち上げ後59分38秒から順に、小型衛星などが分離され、打ち上げは成功しました。第一段のブースターは、打ち上げ後8分30秒で無事地上回収地点に回収できました。
今回使われた第一段のブースターは、スペースX社初の有人飛行(Demo-2)、通信衛星ANASIS-II、CRS-21、Transporter-1、スターリンク衛星(5回)の打ち上げにも使われており、今回で10回目の飛行となります(10回はコスト換算の上の耐久性として再使用目標の回数)。
搭載された105機の衛星とディスペンサー等は以下の通りです。
ION SCV-004:イタリアのD-Orbit社の小型衛星キャリア (D-Orbit社Twitter)
Alba Cluster 3, 4:イギリスのAlba Orbital社のポケットキューブサットのディスペンサー (Alba Orbital社)
Capella 7, 8:米国Capella Space社の地球観測衛星で小型SAR
ICEYE(2機):ICEYE社の商用小型レーダー地球観測(SAR)衛星。コンステレーション衛星のうち2機。
Sich 2-30:ウクライナの低軌道地球観測衛星(光学)
UMBRA-02:Umbra Space社の低軌道地球観測衛星SAR。スポットライトモードでの観測幅4km、地上分解能0.25-2m。
BRO-5:UnseenLabs社の衛星
Dodona(La Jument):米国の技術試験衛星
DEWASAT-1:アラブ首長国連邦の技術試験衛星
ETV-A1:Sen社の地上約1.5mまで見ることができる最高解像度カメラによる8K映像を含む超高精細(UHD)映像の録画およびライブストリーミングを行う。
Flock 4(44機):米国プラネット社のキューブサット。Doveとも呼ばれ多数のコンステレーションをもつ光学の地球観測衛星。
Gossamer-Piccolomini:米国の技術試験衛星
HYPSO-1:ノルウェーの地球観測衛星
IRIS-A:台湾の技術試験衛星
Kepler(4機):カナダのトロント大学などが手掛ける低軌道通信コンステレーション衛星シリーズ (Kepler Communications社)
LabSat:ポーランドの技術試験衛星
Lemur-2(2機):米国Spire Global社の商用気象観測衛星
Lemur-2-Djirang:米国Spire Global社の地球観測衛星
Lemur-2-Miriwari:米国Spire Global社の地球観測衛星
MDASat-1(3機):南アフリカ共和国のAIS追跡用衛星
NuX-1:シンガポールのIoT衛星
OroraTech 1:ドイツの自然火災検出衛星
STORK-1, 2:ポーランドのSatRevolution社の地球観測衛星
SW1FT:ポーランドのSatRevolution社の地球観測衛星
Tevel(8機):イスラエルのアマチュア無線用衛星
VZLUSat-2:チェコ共和国の技術試験衛星
FOSSA PocketPOD(2機):スペインのポケットキューブ衛星用のディスペンサー
Challenger:地球観測用のキューブサット
CShark Pilot-1 (FossaSat-2E3):イタリアのIoT衛星
Delfi-PQ:オランダの技術試験衛星
EASAT-2:スペインのアマチュア無線用衛星
FOSSASAT-2E5, 2E6:スペインのIoT衛星
Grizu-263a:トルコの教育用衛星
HADES:スペインのアマチュア無線用衛星
LAIKA (FOSSASAT-2E4, FOSSASAT-2B):スウェーデンの技術試験衛星
MDQube-SAT1:アルゼンチンの技術試験衛星
PION-BR1:ブラジルの技術試験衛星
SanoSat-1:ネパールのアマチュア無線用衛星
SATTLA-2A, 2B:イスラエルの教育衛星
Tartan-Artibeus-1 (Unicorn-2TA1):米国の技術試験衛星
Unicorn 1:ドイツのAlba Orbital社の惑星通信用技術試験衛星
Unicorn 2A, 2D, 2E:ドイツのAlba Orbital社の地球観測衛星
WISeSAT-1 (FossaSat-2E2), WISeSAT-2 (FossaSat-2E1):スイスのIoT衛星
こうしたライドシェアミッションは、いくつかの小型衛星搭載をとりまとめる会社によって、ファルコン9への搭載をコーディネートされています。スペースX社にはライドシェアの予約などを検討するためのWEBページが用意されており、太陽同期軌道に200kgのペイロード打ち上げのフライト料金は約1億円ほどの換算となっています。
source : スペースX社