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小惑星探査機「はやぶさ2」帰還試料の初期記載に関する研究論文の掲載について

公開日 2021.12.24|最終更新 2021.12.27

日本時間2020年12月に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセルから、小惑星リュウグウの試料が採取され、希望する研究機関で研究が実施されています。また、カプセルについては、各地の展示館を巡回して公開され、人気を博しています。2021年12月21日のイギリスのオンラインジャーナル「Nature Astronomy」誌に、帰還試料の初期記載に関する研究論文が2件掲載されました。

  • ●リュウグウは水、有機物に富む始原的な小惑星だった ─ リュウグウ帰還試料の初期記載から分かったこと ─(JAXA)
    「はやぶさ2」がリュウグウから持ち帰った表層2箇所の計5.4gの試料により、サイズ・重量・可視/近赤外反射スペクトル分析を進めた結果、物的証拠のなかった現地撮像観測での小惑星全体の特徴を反映し、水・有機物に富む始原的な特徴を持つことが明らかになった。既知の隕石と比較すると、最も太陽の組成と近い始原的な隕石と似ているが、より暗く、比重が小さいという特徴を持つこともわかり、より詳細な分析により、より太陽系形成論を進展させることが期待できる。

  • ●赤外分光顕微鏡マイクロオメガによるリュウグウ帰還試料の初期成分測定(JAXA)
    フランス宇宙天体物理学研究所(IAS)で開発された赤外分光顕微鏡マイクロオメガにより、近赤外域の波長帯(0.99-3.65 µm)で数10 µmの空間解像度にて、試料を構成する鉱物やそこに存在する分子を調べた。試料全体にわたって水と鉱物が反応してできた含水鉱物の存在が示唆される中心波長2.7 µmの強い吸収からOH基に富む成分の存在が観察された。同様に、有機物の存在が示唆される3.4 μmでの吸収が試料全体に見られた。
    更に、高空間分解能を生かし、1 mm以下のスケールで炭酸塩やNH基に富む成分を検出できた。試料は、原始太陽系円盤に浮かんでいた揮発性成分に富む塵粒子そのままの初期物質と、塵が集積して形成された小天体において変成作用を経た相の両方を保持しているということであり、洗練された分析手法を適用することで、太陽系初期における物質進化の解読が可能となることを期待させる。

※概要は省略概要を作成しているため、正確な内容については、お手数ですがリンク先の本文をご参照ください。

source : JAXA, JAXA/ISAS/ASRG


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