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完璧なパーサヴィアランスの火星着陸成功に脱帽!

公開日 2021.02.22 | 最終更新 2021.03.04

米国の火星探査ミッションマーズ2020(Mars 2020)に搭載されている火星探査車のパーサヴィアランス(Perseverance)は、予定通り完璧な火星着陸成功をおさめました。

初画像
Credits: NASA/JPL-Caltech
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パーサヴィアランス着陸成功の信号は地球に届くまで11分22秒要しますが、2月19日(金)午前5時48分に火星大気に突入、午前5時55分に火星着陸が管制室に伝えられました。NASA管制室は、着地の成功を聞くとスタンディングオベーションの状態になり、どの担当者の顔にも満面の笑みが見られました。NASAのパーサヴィアランス公式ツイッターには、早速米国のバイデン大統領からの謝辞が届けられました。

パーサヴィアランスからは、着陸後の初画像も届けられました。火星の薄い大気の影響で火星着陸は難易度が高く、多くの探査機が着陸に失敗しており、最近では2016年10月に欧州とロシアの共同ミッションのエグゾマーズ2016着陸機のスキャパレリが失敗、大破しています。NASAは以前までのミッションでは着陸に向けての降下中に、着陸船の高度と速度を判断するためにレーダーに頼っていましたが、今回はレーダーに加えて、ランダー・ビジョン・システム(Lander Vision System)という新しいシステムを採用しています。

火星の大気圏突入・降下では、火星の大気密度の変化と着陸船が受ける大気抵抗を補正しながら、目標とする着陸エリアへの着陸誤差を示す楕円形のサイズを小さくするために、突入時の制御が行われます。突入時の制御では、小さなスラスターで揚力の角度と方向を調整し、降下中の飛行を制御します。大気圏突入から約75秒後にピーク加熱が発生し、耐熱シールドの外表面の温度が摂氏約1300度に達します。その約3分後には、レンジトリガーと呼ばれる新技術の助けを借りて、パーサヴィアランスのパラシュートが展開されました。

着陸船は高度7-8kmの地点で耐熱シールドを投棄し、高度4.2-2.2kmの間でランダー・ビジョン・システムを使用します。さまざまな地形条件に対応して、10秒以内に約130フィート(40メートル)の精度でローバーの位置を決定します。最初の5秒間で3枚の画像を撮影し、それらを処理して火星表面からの大まかな相対位置を計算します。その後、その最初の位置情報を使って、さらに画像を撮影し、1秒ごとに処理を行い、より細かいスケールでの位置情報を導き出します。

指定された着陸地点の20m上空に到達したと判断すると、スカイクレーンマヌーバを開始し、ナイロンコードを繰り下げ、降下船から7.6メートル下へ「パーサヴィアランス」ローバーを降ろします。ローバーが着陸したことを降下船が感知すると、火工品を使ってコードを切断し、降下船はローバーから安全な距離まで離れた後、落下して表面に激突します。

パーサヴィアランスは、今後1-2ヵ月かけて、全ての機器、サブシステムなどを試験します。その後、搭載している火星ヘリコプター「インジェニュイティ」の飛行試験を実施していく予定となります。

HiRISEが捉えたパーサヴィアランス
火星軌道上のマーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)のHiRISEで撮影されたパラシュート降下中のパーサヴィアランス
 Credits: NASA/JPL-Caltech/University of Arizona
スカイクレーンからの着陸
スカイクレーンを使ってローバーを着陸させる様子 Credits: NASA/JPL-Caltech
着陸シーケンス
Credits: NASA/JPL-Caltech

source : NASA, NASA(着陸成功記事)


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