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欧州に続きカナダもゲートウェイ計画に正式に調印

公開日 2020.12.22 | 最終更新 2020.12.23

NASAが各国に参加を呼び掛けている月周回有人拠点であるゲートウェイ(Gateway)に関して、2020年12月16日(水)にNASAカナダ宇宙機関(CSA)は、正式にゲートウェイ協定を締結したことを発表しました。ゲートウェイは、NASAが2024年に月の南極地域へ男女2人の宇宙飛行士の着陸を目指すアルテミス計画(Artemis program)の一環です。

カナダ政府は、2019年2月28日にアルテミス計画の参画について、カナダの宇宙計画への歴史的な投資と、月探査へのカナダのコミットメントを発表し、計画の具体化を進めてきました。2020年6月26日には、マクドナルド・デトワイラー・アンド・アソシエイツ社(MacDonald, Dettwiler and Associates Ltd.、MDA)との間で、カナダアーム3の契約を締結する意向を明らかにしました。2020年12月7日には、(カナダアーム3の設計・製造に必要な技術要件を設定する)フェーズA契約が、2,280万ドルで締結されました。CSAの発表によれば、MDA社や研究機関など、何百もの企業が開発に参加することになります。

NASAとCSAのこの16日の協定で、CSAは次世代ロボットアームのカナダアーム3(Canadarm3)を含めた船外ロボットシステムも提供します。ゲートウェイモジュールのロボットインターフェースを提供し、ゲートウェイに搭載される2つの科学機器を含むペイロードの搭載、アルテミスミッションに於けるカナダ人宇宙飛行士の提供機会も約束することになります。アームはゲートウェイの外部に装着されて、端から端へ移動でき、現在のところ2026年に米国商業輸送サービスにより打上げられる予定です。また、カナダアーム3の管制センターは、カナダ国内に設置されます。

カナダアーム3
Credits: CSA, NASA

ゲートウェイの実現に向け、シナリオは進化しつつあります。今年10月には、欧州ESAのウェルナー局長と米国NASAのブランデンシュタイン長官により、ゲートウェイ計画に関する米欧の了解覚書(MoU: Memorandum of Understanding)が正式に調印されました。ゲートウェイに関し、ESAは通信と燃料補給機能を有するESPRIT(European System Providing Refueling, Infrastructure and Telecommunication)モジュールと、ゲートウェイを訪れた宇宙飛行士が暮らす国際居住棟(I-Hab)の供給を含め、多くのものを提供することになっています。欧州の宇宙飛行士がゲートウェイに往来し、作業するための機会を3回得ることも含められました。MoUは国際宇宙ステーションの建設の際、国際的に交わされたMoUと同様の効力をもつことになります。

日本でも、2020年7月10日に文部科学省とNASAが「月探査協力に関する文部科学省と米航空宇宙局の共同宣言」を調印しています。ゲートウェイのミニ居住棟HALO(Habitation And Logistics Outpost )のバッテリーなどのコンポーネントを、ノースロップグラマン社と宇宙航空研究開発機構(JAXA)との契約に基づき2022年までに提供すること、物資輸送サービスの可能性を検討するためHTV-Xによる技術実証を行うと共に、将来の物資補給ミッションについての協議、ゲートウェイに搭乗する日本人宇宙飛行士の人数など取決めについては、ゲートウェイ了解覚書の下に策定することになっています。

source : NASA CSA


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