宇宙技術開発株式会社

米科学者名が付けられた欧州のセンチネル6衛星の打上げ成功

公開日 2020.10.23|最終更新 2020.11.24

日本時間2020年11月22日(日)午前2時17分に海面レベルの観測を行う地球観測衛星センチネル6号(Sentinel-6/Jason-CS)を搭載した、ファルコン9ロケットの打ち上げが実施されました。打ち上げ後、SpaceXのファルコン9の~第1段ロケット は分離後、バンデンバーグ空軍基地に戻り、所定の着陸場所に無事垂直着陸しました。軌道に投入されたセンチネル6号は、ロケットの第2段から分離し、太陽電池アレイを展開しました。管制局では衛星の信号を正常に取得し、宇宙船の状態が良好であることが確認されました。

地球観測衛星センチネル6号(Sentinel-6/Jason-CS)は、マイケル・フライリック(Michael Freilich)と命名されています。その名前は、NASA地球科学部門の元部門長であり、衛星による海面測定の有効性のアピールに尽力したマイケル・フライリック博士に因んで名付けられました。

欧米の共同プロジェクトとして打ち上げられたTOPEX/Poseidon衛星やJason-1, 2, 3シリーズ衛星は、過去30年の長きに亘って海面レベル(高さ)の観測を行い、海面レベルの研究にとって標準的なデータを提供し続けました。「センチネル6号」は、この海面レベルの観測を継続するとともに、気象予報や気候モデルを支援するための正確な大気データ(気温と湿度データ)を集める予定です。

センチネル6号
Credits: NASA/JPL-Caltech

2025年には、同じ仕様であるセンチネル6号B(Sentinel-6B)衛星が打ち上げられる予定で、さらに5年以上の観測継続が保証されます。

  • 海面高度計測:レーダー高度計によって平均海面とその経時変化をミリメートル単位で正確に測定し、温暖化によって生じている海面上昇速度を計測する。

  • 海岸線監視:高性能マイクロ波放射計(AMR-C)とレーダー高度計で、海岸線付近の小さくてより複雑な海面現象を従来以上に高精度に計測する。

  • 欧州コペルニクスへの参画:センチネル6号は、NASAとESAが共同で地球科学衛星ミッションに取り組む初の試みで、欧州連合(EU)が進める地球観測計画「コペルニクス」として国際的な参加を行う初のケースとなる。コペルニクスは欧州委員会(EC)がESAと共同で運営しており、ECはEUを代表してプログラム全体のイニシアチブ、要件設定、サービスの管理を担当する。欧州気象衛星開発機構(EUMETSAT)は衛星の運用とプロダクトの生成・配信を行う予定。NASAとNOAAは、マイクロ波放射計、レーザー再帰反射鏡、GNSS-RO受信機を提供。

  • 気候変動データ収集:全地球航法衛星システム(GNSS)電波掩蔽機器(GNSS-RO)機器を使って、大気圏を通過したGNSSからの電波を受信することにより、大気密度、温度、湿度の変化を測定し、気候変動に関するデータを収集する。

  • 天気予報精度向上:レーダー高度計で波高や海面の状態に関するデータを収集し、GNSS-RO機器によって収集したデータで既存の大気観測データを補完する。これらの観測を組み合わせることで気象予報の精度向上の知見を得られると共に、大気温度や湿度、洋上の上層大気の温度に関する情報は、ハリケーンの形成や発達を追跡するモデルの改善にも役立てられる。

source : NASA, NASA


    関連リンク

    SEDの関連記事