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おめでとう!オサイリス・レックスの小惑星サンプル取得運用成功に「はやぶさ2」からもエール

公開日 2020.10.21|最終更新 2020.10.26

日本時間2020年10月21日(水)午前7時11分に、米国NASAの小惑星探査機のオサイリス・レックス(OSIRIS-REx)は、訪れている小惑星ベンヌ(Bennu: 1999 RQ36)に降下し、サンプル採取用の装置を表面に接触させることに成功しました。これは、サンプル取得を行う一連のタッチ・アンド・ゴー(TAG: Touch-And-Go)と呼ばれるサンプル収集運用の中で行われました。小惑星ベンヌは、「はやぶさ2」が訪れた小惑星リュウグウの半分ほどの大きさで、直径は約500メートルです。

オサイリス・レックスは、21日(水)午前2時50分にスラスターを噴射して、ベンヌを周回する軌道から降下し、サンプルを取得するためのタッチ・アンド・ゴー・サンプル収集メカニズム(TAGSAM)の肩、肘、手首にあたる部分を伸ばして(伸展時の長さ3.35m)地表に向かい、ベンヌ上空を移動しながら約805m降下しました。約4時間かけて降下した後に、高度125mの地点で2回のマヌーバ噴射のうちの1回目「チェックポイント噴射」を実施しました。更に10分後に2回目のマヌーバ噴射「マッチポイント噴射」を実施して、小惑星ベンヌの自転速度に合わせて降下速度の減速を行いました。2階建てのビルほどの岩石を超えるなど、11分間危険地域を飛行し、サンプル取得予定地ナイチンゲール(Nightingale)への接触に成功しました。接触の瞬間の画像が公開されました。

TAGサンプル取得時
Credits: NASA/Goddard/University of Arizona

探査機のすべての信号が今回は正常に運用が行われたことを示しており、TAGSAMは地表との接触に成功し、ベンヌ表面の塵と石をかき回して、一部をサンプルとして取得するための窒素ガスの噴射が行われたことが確認されています。また探査機は地表に接触した直後にスラスター噴射を実施し、無事にベンヌ表面から離れたことも確認されました。目標としていたサンプル質量は60-200グラムです。

TAGSAM
Credits: NASA/Goddard/University of Arizona

上記の画像はサンプル収集を行うTAGSAMの表面と内側で、2018年に撮影された写真です。サンプル収集後に同様な写真を撮影することで、サンプルを取得できたか確認できると考えられています。

なお、当初明らかでなかった取得サンプル量も、目標の60グラム以上のサンプルが採取できたということです。下記の24日に公開された映像では、サンプルを取得したコレクトヘッドの蓋部分から、細かいサンプルが漏れ出しており、小石の挟まりがあると考えられますが、コレクトヘッドはサンプルリターン用カプセルの中に完全に保管されるため、大きな問題はないとみられています。ナイチンゲールで十分なサンプルが採取できなかった場合は、2021年1月12日にオスプレイ(Osprey:シラサギの意味)と呼ばれる地域のサンプル取得を行う予定でしたが、再度のサンプル取得運用は安全をとって行わず、帰還予定となりそうです。

サンプルが地球に帰還するのは2023年9月24日で、米国ユタ州の砂漠にパラシュートを用いて降下させ、回収する予定になっています。今年12月6日に小惑星リュウグウのサンプルが帰還予定の「はやぶさ2」チームからも、オサイリス・レックスの成功とサンプル帰還への期待にTwitterでエールが送られました。

TAGSAMコレクトヘッド
Credits: NASA

source : 10/21付(NASA), 10/22付(NASA), 10/24付(NASA)


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