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10月20日にサンプル取得に臨む米国オサイリス・レックスのTAGについて

公開日 2020.10.05|最終更新 2020.10.16

2016年9月に打ち上げられ2018年8月に小惑星ベンヌ(Bennu: 1999 RQ36)に到着したNASAの小惑星探査機のオサイリス・レックス(OSIRIS-REx)は、2018年12月3日からベンヌの基礎的な探査を開始しています。メインイベントである小惑星ベンヌからのサンプル取得が、10月20日(火)と迫ってきました。NASAによると取得時間は、日本時間10月21日(水)午前7時12分頃の予定になっています。

source : TAG時間 (NASA)

今回のサンプル取得は、当初は8月に実施する予定でしたが、はやぶさ2の訪れた小惑星リュウグウの時と同様に、かなり表面がごつごつして砂地表面がなく、砂をガスで吹き飛ばして採取する前提だったNASAのサンプル取得計画が難しくなったこと、リュウグウの半分ほどの直径約500メートルと小さいことから、確実な対処を必要としました。NASAはサンプル収集イベントのリハーサルを実施して、サンプル取得予定地ナイチンゲール(Nightingale)での取得を確実にしようとスケジュールを立て直しました。

サンプル取得予定地でバスケットボールコート程度の広さのナイチンゲール(Nightingale)に降りるのは、狭い駐車場にトラックを遠隔制御で止めるような難易度です。

Vesta表面の画像
Credits: NASA/Goddard/University of Arizona

下記画像はオサイリス・レックスが2019年に撮影したベンヌ表面です。周囲のものと明らかに違い明るく映っている岩石は、今回ベンヌの南半球と赤道付近に6つほど見つかった大きさは1.5~4.3mの岩石です。この岩石は、過去にNASAのドーン(Dawn)探査機が観測している、火星と木星の間を回る小惑星ヴェスタ(Vesta)で明るく映った岩石と同じ種類のものと思われます。輝石の一種で、岩石が高温で溶けてできるため、局所的な加熱や今までに辿った歴史的な過程の中で生じたものと推察されます。

OSIRIS-REx撮影のVesta表面の画像
Credits: NASA/Goddard/University of Arizona

NASAは、1999年2月に打ち上げたスターダスト(Stardust)による彗星接近時に周辺の空間からダストの取得に成功しましたが、米国はまだ小惑星からのサンプルリターンに成功していません。小惑星ベンヌのサンプル取得に成功すれば、初めてとなり、今回のサンプル取得に期待が集まっています。

source : NASA NASA/アリゾナ大/ロッキード・マーティン社


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