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中国の火星探査機も火星に向け出発

公開日 2020.07.27|最終更新 2020.07.28

日本時間2020年7月23日(木)午後1時41分に中国の火星探査機「天問1号」 Tianwen 1 が、海南省 文昌衛星発射センターより、長征5ロケットで打ち上げられ、打ち上げの成功が伝えられました。

事前の報道に依れば「天問1号」は、軌道周回機と着陸機、探査ローバーを搭載しており、打ち上げ時の質量は約5トン、火星軌道投入時の探査機の質量は1,285kg、そのうち火星に着陸する機体は240kgとなっています。火星を周回して観測を行う軌道機のミッション寿命は、火星の1年にあたる約687日とされています。着陸機から繰り出される探査車(探査ローバー)の設計寿命は90火星日(こちらは地球の1日より40分程度長いだけ)の予定です。火星到着は来年2021年2月10-11日前後となります。

軌道機は、7つの機器(中解像度カメラ、高解像度カメラ、地下探査レーダー、鉱物探査スペクトロメータ、磁力計、イオン・中性粒子分析器、エネルギー粒子分析器)が搭載されています。着陸する火星探査車には6機器(マルチスペクトルカメラ、地形カメラ、地下探査レーダー、表面組成計測器、磁力計、気象モニター装置)が搭載されています。着陸地点は北緯5-30度の模様で、まだ正式な発表はありません。

中国は2011年11月に、ロシアの火星探査機「フォボス・グルント(Fobos-Grunt)」と共に「蛍火一号(Yinghou1)」を打ち上げていますが、ロケットの上段部切り離しの失敗により、機体は翌年の大気圏突入で失われています。今回、国産の大型ロケット長征5号を使うにあたっては、確実な打ち上げ成功を経てからの実施となっています。また、今年4月25日には、深宇宙探査のためアジアで最大級の直径70mアンテナが天津市武清に整備され、すでにある美雲(50m、40m)アンテナ、昆明(40m)アンテナと4基体制をとり支援が行われる模様です。

なお、注目される火星表面への着陸のための減速は、空力減速、パラシュート減速、逆噴射エンジンによる減速、ホバリング着陸と、7、8分かけて4段階で行われます。


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