宇宙技術開発株式会社

クルードラゴンに続きスターリンク衛星8回目の打ち上げ実施

最終更新 2020.06.04

日本時間2020年6月4日(木)午前10時25分に、スペースX社スターリンク(Starlink)衛星60機の8回目の打ち上げが行われました。打ち上げ約15分後には、衛星搭載・放出機構とロケット本体が分離されました。また、ファルコン9ロケットの第1段ロケットは、ドローンシップへの着地および回収にも成功しました。

スターリンク衛星は、現在は軌道上で4-5.5等星の明るさで地上から観測され、天文観測の上で大きな問題となっています。今回の打ち上げには、天文観測における影響を最小限におさえるために、展開式のサンバイザーを搭載したバイザーサット(VISORSAT)が1機含まれています。

問題を簡単におさらいしてみます。スターリンクの飛行には3つのフェーズ(1)衛星に搭載された電気推進系を使った軌道上昇、(2)パーキング軌道(高度380km)、(3)運用軌道(オンステーション)(高度550km)がありますが、特に(1)-(2)の段階では太陽電池アレイとアンテナ等を搭載する機体の双方が、太陽光を地上に向けよく反射してしまいます。(3)オンステーションでは太陽電池アレイが太陽を向くので地上には反射しにくくなり、太陽電池アレイの問題はあまりなくなります。

(3)の状態での機体の反射の問題の改善を目指して、以前の打ち上げにも衛星本体面を暗くしたダークサット(DARKSAT)の試験が行われ、55%の減光が確認されました。しかし機体のアンテナ面が高温になる問題も出ました。そのため今回搭載された1機のバイザーサットでは、反射面に太陽光があたらないように保護するため、展開できる方式のサンバイザーが適用されたのです。9回目の打ち上げ以降にも適用が予定されているということです。

スターリンク衛星のこの問題にあたり、スペースX社は、米国天文学会(American Astronomical Society)や Vera C. Rubin観測所などの天文学グループと協力して定期的な電話会議を行い技術的詳細の議論、天文観測の保護の検討を行いコミュニティ全体の理解を深めたと発表しています。

source : スターリンクタイムシーケンス(スペースX社) 観測対応(スペースX社) 打ち上げ記事(スペースX社)


    関連リンク

    SEDの関連記事