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小惑星ベンヌのサンプル取得イベントは今年夏!

最終更新 2020.03.16

2018年8月に地球を出発したNASAの小惑星探査機のオサイリス・レックス(OSIRIS-REx)は、2019年10月に小惑星ベンヌ(Bennu: 1999 RQ36)の探査を開始しました。小惑星のサンプル取得など昨年多くの話題を提供した日本の「はやぶさ2」ミッションのように心躍るミッション展開が、今年もオサイリス・レックスで実施されるようです。

小惑星ベンヌは、はやぶさ2が訪れた小惑星リュウグウのように、ごつごつしたボルダー(岩塊)に覆われています。大きさはリュウグウの半分ほどの直径約500メートル。対する岩塊はちょっとした建物のような大きさがあります。南側には最大のボルダーBenben Saxumが高さ21.7メートルで突き出しています。

当初ミッションチームは、直径50メートルほどの危険のないエリアにサンプル採取部をタッチダウンさせる計画でした。ところが、確保できたものの最も大きい場所でも幅16メートルのため、予想していた10分の1ほどの広さしかなく、精密な航法誘導計画が必要となりました。

NFTのイベントイメージ
Credits: NASA/Goddard/University of Arizona
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サンプル取得のためのオサイリス・レックスの航法誘導制御は、距離計測にレーザーパルスを使ったライダーシステムを使用します。タッチ・アンド・ゴー(TAG:Touch-And-Go)と呼ばれるサンプル収集イベントを実施するために、新しい航法システムNFT(Natural Feature Tracking)に変更することになりました。新しい高精度TAGを行うには、ベンヌの高解像度の画像を必要としたため、今年初めに高度625mから、サンプル取得場所であるナイチンゲール(Nightingale)と、予備のシラサギ(Osprey)と命名されたエリアの画像が、異なった角度と異なる照明条件で収集されました。

オサイリス・レックスのNFTでは、ベンヌへの下降時に撮影される画像と、先に撮影されたカタログ画像を比較します。サンプル収集機構は、2センチメートル未満の岩石を集めるようになっています。

タッチダウンは、2020年8月末に実施される予定です。NFTを試す降下リハーサルが2回、4月と6月に実施される予定であり、1回目は4月14日となっています。

source : NASA

なお、小惑星ベンヌは、2019年12月の発表で、細かい岩石が表面からはじきだされ、表面に戻るという面白い現象を観測していることでも話題となっています。ベンヌは、4.3時間の自転周期のため、この短期間に表面が低温になったり午後に温まったりと、温度差があります。温度差により、岩石に亀裂が起きやすいこと、また含まれている水の成分が温まることによって、ガス圧力を生じていて、細かい岩石を表面からはじき出す力となっているのではないかと考えられており、引き続き観測調査が続けられています。

ベンヌからはじき出される岩石
Credits: NASA/Goddard/University of Arizona

source : NASA


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