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アルテミス計画で来年NASAは2つのスタートアップのペイロードを打ち上げ

最終更新 2020.01.24

NASAは、2020年1月23日(木)に、2024年に月の南極地域へ男女2人の宇宙飛行士を着陸させる計画を含むアルテミス計画の一環で、Astrobotic社Intuitive Machines社の2つのスタートアップと来年2021年にペイロードを打ち上げるパートナー契約を結んだことを明らかにしました。このペイロードは、月への商業輸送サービスCLPS(Commercial Lunar Payload Services) 契約を利用した、初めての月面輸送となる予定です。

Astrobotic社は、ULA社のロケットで月面へペレグリン(Peregrine)着陸機を送る予定の会社ですが、11のNASAペイロードを輸送します。一方、スペースX社のファルコン9ロケットに搭載しNOVA-Cを月面に送る予定のIntuitive Machines社は、今回の契約で5つのNASAペイロードを月面に輸送することになります。両社ともペイロードのインテグレーションと運用などの地球から月間の安全性を含む輸送の責任を持つことになります。ペイロードは2-33ボンド(1-15kg)の質量で靴箱程度のサイズです。

2社共に打ち上げる装置は2つとなります。

  • ■Laser Retro-Reflector Array (LRA): NASAゴダード宇宙飛行センターが開発。オービターや別の着陸機から着陸船の正確な位置を測定するために、8つのレーザ反射鏡を束ねた装置を搭載。

  • ■Navigation Doppler Lidar for Precise Velocity and Range Sensing (NDL): NASAジョンソン宇宙センターとラングレー研究センターが共同で開発。降下・着陸時に着陸船の速度と距離を精密に計測するためのドップラーライダー。

Astrobotic社は更に下記9つの装置を担当予定です。

  • ■Surface Exosphere Alterations by Landers (SEAL): NASAゴダード宇宙飛行センターの開発。着陸時に月の表土が受ける熱や、物理的、および化学的な反応を調査し、レゴリスに入りこんだ汚染物質を評価する。

  • ■Photovoltaic Investigation on Lunar Surface (PILS): NASAグレン研究センターの開発。月面上で高電圧の太陽電池アレイが長期にわたるミッションにおいて使用できるか実証する装置。

  • ■Linear Energy Transfer Spectrometer (LETS): NASAジョンソン宇宙センターの開発。2014年のオリオン宇宙船の無人飛行で飛行実績がある放射線計測装置を使って、月面の放射線環境についての情報を収集する。

  • ■Near-Infrared Volatile Spectrometer System (NIRVSS): NASAエイムズ宇宙センターの開発。月面と表面下の水酸基、二酸化炭素、メタンなど、将来の月面での採掘資源となる可能性があるものの量を計測し、併せて表面温度や着陸場所での変化を調べる装置。

  • ■Mass Spectrometer Observing Lunar Operations (MSolo): NASAのケネディ宇宙センターの開発。月面環境にさらされた場合の宇宙船のアウトガスや汚染について測定する装置。

  • ■PROSPECT Ion-Trap Mass Spectrometer (PITMS): NASAのロゼッタミッションのために開発されたものを改良した装置で、NASAゴダード宇宙飛行センターとESAが開発。月面の昼間の間に揮発性ガスを測定し、揮発成分の放出と移動に関する理解を進める。

  • ■Neutron Spectrometer System (NSS): NASAのエームズ研究センターの開発。月表面付近の氷を調べるためのもので、物質にどの程度の割合の水を含むかを計測する。

  • ■Neutron Measurements at the Lunar Surface (NMLS): NASAのマーシャル宇宙飛行センターの開発。月面の中性子量を計測する。

  • ■Fluxgate Magnetometer (MAG): NASAのゴダード宇宙飛行センターの開発。月面でのエネルギー粒子の道筋を分析することにより磁場を測定する。

Intuitive Machines社は更に3つの装置を担当する予定です。

  • ■Lunar Node 1 Navigation Demonstrator (LN-1): NASAのマーシャル宇宙飛行センターの開発。1Uのキューブサットサイズの装置で、将来の月面のナビゲーション運用の支援を行う。

  • ■Stereo Cameras for Lunar Plume-Surface Studies (SCALPSS): NASAラングレー研究センターの開発。ビデオとスチールカメラにより、着陸機のエンジンからの噴煙が月の表土に衝突したときに生じる現象をエンジンを停止するまで撮影し、将来の着陸機の設計に活かすデータを得ることが目的。

  • ■Low-frequency Radio Observations for the Near Side Lunar Surface (ROLSES): NASAゴダード宇宙飛行センターの開発。月面の光電子シース密度やその高度を計測するための低周波ラジオ受信システム。

source : NASA


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