宇宙技術開発株式会社

スペースXの宇宙船スペースシップの最新状況

公開日 2019.10.01|最終更新 2019.10.07

3年前メキシコで開催された国際宇宙会議2016(IAC 2016)で、スペースX社CEOのイーロン・マスク氏は、火星へ向かう有人船、燃料補給船、再使用のイメージと共に、アポロ時代に使われた史上最大のサターンVロケットより大きなロケットの構想を発表し、話題を攫いました。

今年は、2019年9月28日(土)に、テキサス州南部に同社が整備を進めているBoca Chica打ち上げ施設に記者たちを集めて、ラプター(Raptor)エンジンを搭載した宇宙船スターシップ(Starship)と新型ロケットスーパーヘビー(Super Heavy)の最新の開発状況が紹介されました。9月28日というのは、スペースX社、そして、マスク氏にとって特別な日でもあります。17年前に開始した民間ロケット打ち上げの系譜の中で、11年前の2008年9月28日に、ファルコン1ロケットの打ち上げに初めて成功したからです。。

スターシップは、長さ(高さ)50m、直径9m、機体はステンレススチール製であり、機体重量は85トン、燃料は1200トン搭載されます。

1年前までは炭素繊維製の機体が計画されていましたが、ステンレススチールに変更した理由として、カーボンファイバーやアルミニウムを利用するより強度は2倍、耐熱性も1500度と高く、材料費と加工費が安価な点が挙げられました。

スターシップは、1段ブースターとして使われるスーパーヘビーの上に載せて打ち上げられます。スーパーヘビーは、37基のラプターエンジン、6つの着陸脚を持ち、直径9m、長さ68m、燃料は3300トン搭載可能とされています。スターシップを搭載した打ち上げでは、100mを優に超える巨大な塔の打ち上げのようになるでしょう。この打ち上げは、サターンVロケットの約2倍の打ち上げ能力を持つことになります。更に将来構想として、100名を超える人を載せることができるスターシップ2.0の構想が明らかにされ、なんと高さは240mにもなると紹介されました。

スターシップに関しては、近々、大気圏突入のための高度約25kmの飛行試験が行われるとのことで、1~2ヵ月のうちにStarship Mk1の機体を使って開始すると発表されました。Mk1, Mk2の製造は、テキサスとフロリダの2チームに分かれて競い合いながら行われており、Mk1をテキサス州にあるBoca Chicaから、Mk2はフロリダ州ケネディ宇宙センターの39A射点から、行われる予定となっています。マスク氏は、打ち上げ試験は今後もMk3, 4, 5と続き、6ヵ月程後の2020年にはMk3かMk4で地球周回軌道まで到達したいと明らかにしました。

source : 2019年9月28日発表会見(YouTube/SpaceX社)


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