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欧州の地球観測衛星「アイオロス」がスペースX社の「スターリンク」衛星との衝突回避

最終更新 2019.09.05

欧州の地球観測衛星「アイオロス」(Aeolus)は、9月3日(月)に、スペースX社のコンステレーション衛星「スターリンク」(Starlink)のうち1機との衝突を回避するための噴射を行いました。

「アイオロス」は、昨年8月に打ち上げられた風観測のための地球観測衛星です。燃料を含む打ち上げ時の重さは1,360kgで、高度320km、軌道傾斜角97度の太陽同期軌道で、地球を周回し観測を続けています。対する「スターリンク」衛星は、高度550kmに4,425機の通信衛星を展開する計画で実施許可を受け、最初の60機が今年5月に打ち上げられており、今回の衛星はそのうちの1機です。

欧州宇宙機関(ESA)は、米空軍から衝突の可能性があるデータの提供を受けており、それを基に衛星の衝突回避運用を実施しています。米国から約1週間前に、日本時間9月2日(月)午後8時2分に「アイオロス」と「スターリンク44」が衝突する可能性があるとの通知を受けました。ESAチームの解析で1万分の1よりも多い衝突可能性を示し、ESAはスターリンクの運用チームと調整しましたが、スターリンク側では何も実施しないことを確認したため、9月2日(月)午後7時14分、17分、18分に3回の噴射を行うコマンドをアイオロスに送信し、アイオロスの高度を350m上昇させました。

衛星数が増加するにつれ、衛星の接近回数が増加し、衝突を回避するための運用も増えています(ESAのTwitterによれば昨年28回実施)。現在、低・中軌道に大規模なコンステレーションを組む衛星プロジェクトが増えていることから、衛星数は今後急激に増加していきます。衝突回避運用を準備するには時間がかかりますが、今後も衝突回避運用は劇的に増えていく傾向にあるため、ESAはAIを使ってこのプロセスを自動化させる計画です。また、リスク分析のプロセスにもAIを導入してスピードアップに努めるとしています。

source : ESA, ESA Operationスレッド(ESA Twitter)


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