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火星のオポチュニティの成し遂げたもの

最終更新 2019.02.14

昨年6月にお伝えした火星の大規模な嵐によって太陽電池パネルからの電力が失われて通信が途絶した探査ローバーのオポチュニティ(Opportunity)の不調は、研究者達の最後の努力にもかかわらず、復活のきざしがないため、どうやら終了へと向かうようです。オポチュニティは、2004年1月に火星のメリディアニ高原(Meridiani Planum)中にある直径22mほどのイーグルクレーター(Eagle Crate)の中に降り立ちました。設計時は90日間の探査に耐えるためのものでしたが、実に15年近いミッションを遂行しました。予想走行距離も1000mだったにもかかわらず、32度の急傾斜を含む45km以上の距離を探査しました。

オポチュニティは、火星の丁度反対側の東半球赤道近傍に着陸し探査した、双子のローバーのスピリット(spirit)と共に、火星にやってきました。オポチュニティの機体は現在活躍しているキュリオシティや、インサイトよりこぶりで重さも170kgほどしかありません(キュリオシティは899kg、インサイトは360kg)。メリディアニ高原中のエンデバー・クレーター(Endeavour Crater)では、その縁部分のクヌーセン・リッジ(Knudsen Ridge)を超えることができず、方向を変え、その縁に沿って岩石などを調査しました。

オポチュニティの初期の探査である2004年4月には、後にブルーベリーと呼ばれる小さな小石が露出している礫(れき)構造をとらえました。この表面に存在する堅い球形の灰色の粒は、液体水によって形成し、岩石の風化によって徐々に表面に集積したと考えられています。周回機から得られているスペクトル解析から大部分が赤鉄鋼とされていて、周囲のその他の細かい土や砂は、橄欖(カンラン)石玄武岩と分析されています。周回機により上空から撮影・分析された土壌組成マップを、オポチュニティのようなローバーが実際に探査するという方式で、火星の姿が次第に明らかにされてきています。オポチュニティは、かつて火星に水が存在し更にあたたかい時代があったことを裏付ける、火星の岩石・土壌の調査に於いて、大きな成果を成し遂げました。

source : NASA


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