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民間ベンチャーのエレクトロンロケット4号機はNASA教育ミッション打ち上げ成功

公開日 2018.12.17|最終更新 2018.12.18

米国カリフォルニアに本社を持つグローバルベンチャー、ロケット・ラボ社(Rocket Lab)のエレクトロンロケット4号機が、日本時間2018年12月16日(日)午後3時33分に、ニュージーランドのマヒア(Mahia)半島から打ち上げられました。3号機は、わずか1か月ほど前の11月11日に打ち上げられており、4号機の打ち上げ成功で、エレクトロンロケットによる今年の小型衛星の打ち上げ数は、24機となりました。

今回打ち上げられたのは、NASAの教育ミッションELaNa-19のキューブサットなどで、エレクトロンロケット4号機は、NASAのベンチャー・クラス・プログラム(VCLS: Venture Class Launch Services)の下で最初に調達されたロケットとなります。打ち上げは順調に進み、第二段分離によって楕円軌道に投入された後、上段のキックステージによる増速を行い、高度500km、軌道傾斜角85度の円軌道に投入されました。打ち上げから56分後までに、搭載された13機(このうちELaNa-19ミッションは10機)の衛星の分離が予定通り実施されました。

米メディアによれば、ELaNa-19以外のミッションは、米国の宇宙関連企業が開発した地球観測センサの試験衛星TOMSat (Testbed for Optical Missions Satellites)2機 (TOMSat EagleScout, TOMSat R3)と、NASAとDARPAの共同プロジェクトである高周波電波の受信を行う試験衛星SHIFT-1 (Space-based High Frequency Testbed)の3機となっています。

ELaNa-19の衛星を下記に示します。

  • CubeSail
    ソーラーセイルの実証試験

  • CeREs : Compact Radiation Belt Explorer to Study Charged Particle Dynamics in Geospace
    CubeSatを使った地球周囲の放射線帯を計測するミッション

  • NMTSat : New Mexico Tech Nanosatellite
    プラズマ計測、磁気計測、GPS掩蔽実験装置の3つの宇宙天気観測装置などを搭載

  • CHOMPTT : CubeSat Handling of Multisystem Precision Time Transfer
    周回するキューブサットとレーザーリンクを確立し、搭載したチップサイズの原子時計と地上の原子時計のデータの差を高精度に比較する技術実証ミッション

  • ALBus : Advanced eLectrical Bus
    電力供給系をデジタル制御すると共に、太陽電池パネルの展開機構に形状記憶合金を使う技術実証ミッション

  • STF-1 : Simulation To Flight
    キューブサットの開発サイクルにNASAの小型衛星運用シミュレーターを使うことで開発期間を短縮することが目的

  • ISX : Ionospheric Scintillation Explorer
    赤道近くで日没時の大気で生じる多周波電波干渉の調査を行う。複数のデジタルTVの放送波を受信することで観測を行う

  • RSat
    将来の衛星修理ミッションのための技術実証のために、7自由度を持つ長さ60cmのロボットアーム2本を装備。カメラとエンドエフェクタを使って診断情報を提供する

  • Shields-1
    電子機器、フィルム、シールド材といった新しい商業用ハードウェアの宇宙環境での耐久試験を行う

  • DaVinci
    STEM (Science, Technology, Engineering and Mathematic) ミッションとしてモールス信号のメッセージを無線で世界中の学校に送信する

source : ロケット・ラボ社


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