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ボイジャー2号は星間空間に到達へ

最終更新 2018.12.12

NASAは12月10日発表で、米国の深宇宙探査機ボイジャー2号(Voyager-2)が、正式に太陽圏を脱し、星間空間へと踏み出したことが確認されたと明らかにしました。最も明らかであると結論づけたデータは、ボイジャー2号の搭載するプラズマ科学装置PLS (Plasma Science Experiment)の太陽起源のプラズマ流が3方向とも11月5日に急激に減少したことです。ボイジャー1号では、太陽圏との境となる太陽圏界面(Heliopause: ヘリオポーズ)に達する前に、この装置が故障してしまった経緯があります。PLSは太陽風(プラズマ電子流)の速度、濃度、温度、圧力、向きを知るための装置です。この発表でボイジャー1号に続きボイジャー2号(Voyager-2)も、私たちの太陽圏の外に広がる恒星空間に入ったことが明らかにされたことになります。

また、PLSの他にも、搭載する3つの観測装置(宇宙放射線計測装置、低エネルギー粒子計測装置、磁力計)のデータもこれを裏付けており、太陽圏界面をボイジャー2号が横切り、その横断が終わったことが示されました。太陽系内の放射線粒子と太陽系外の放射線粒子の性質は大きく異なるため、ボイジャー2号の搭載機器の計測結果は10月頃から注視されてきました。(太陽系内と太陽系外を起源とする高エネルギー粒子の違いは、太陽系外を起源とする粒子はより重い元素の高エネルギー粒子であり、総じてエネルギーも高い。)

地球周辺を少し離れた太陽系全体の太陽風(太陽圏内のプラズマ電子流)については、NASAでは現在IBEX(Interstellar Boundary Explorer)がそのデータを取得しています。太陽側から地球に向かう太陽風については、DSCOVRも計測を行っています。また、NASAでは、2024年に打ち上げが予定されているIMAP(Interstellar Mapping and Acceleration Probe)ミッションがそのデータ取得を引き継ぐ計画となっています。

一方、研究者の間では、ボイジャーが居るのは未だ完全な恒星空間とは言えず、太陽の重力の影響を受けるオールトの雲(Oort Cloud)の内側に居て、それを抜けるためには、まず300年かかって到達し、それを超えるには3万年かかると言われています。このオールトの雲は、1AUとされる太陽と地球の間の距離で換算すると、太陽から約1,000AU~100,000AUの範囲に存在する空間ということです。ボイジャーの搭載する原子力発電ユニット(RTG)は発電量が毎年4ワットずつ減少しており、これまでもカメラへの電力供給を止めるなど供給先を絞っており、今後の計測を継続するための努力が続けられています。ボイジャー2号は現在、光速でも地球から16.5時間、地球から約180憶kmを少し超えたところで旅を続けています。

source : NASA


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