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スペースXファルコン9で地球観測衛星PAZ他打ち上げ

公開日 2018.02.23|最終更新 2018.02.26

日本時間2018年2月22日(木)午後11時17分に、スペインの地球観測衛星SEOSAR/PAZ(Satélite Español de Observación SAR / PAZはペイン語で平和の意味)と小型インターネット試験衛星2基を搭載した、ファルコン9ロケットが打ち上げられました。

今回打ち上げに使われた第1段ロケットは、昨年7月に台湾の光学地球観測衛星FORMOSAT-5を打ち上げた機体です。ロケット回収はありませんでしたが、今回はフェアリングの海上回収が試みられました。海上回収船Mr. Stevenは、パラシュートで降下してくるフェアリングをネット状の網で捕まえる計画でしたが、目標を外し海中に落下、その後引き上げられました。打ち上げは順調に推移し、衛星の軌道上展開に成功しました。

PAZは、日本のだいち2号(ALOS-2/PALSAR-2)衛星やイタリアのコスモ・スカイメッド(COSMO-SkyMed)衛星、他にも各国で打ち上げているものと同じくレーダー地球観測衛星SARに分類されており、X帯の波長を使用して観測を行います。また、ドイツのテラサー・エックス(TerraSAR-X)と同じくEADS Astrium GmbH社のプラットフォームを使用しており、テラサー・エックスとタンデム・エックス(TanDEM-X)の軌道に投入されます。設計寿命は5.5年で、高度514kmを1日15周回して観測を行います。

PAZは、世界中の海の領域のモニター能力増強のため、初めて船舶のAIS(Automatic Identification System :自動船舶識別装置)信号とSAR画像を同時に組み合わせてAISシステムとして構成します。世界測位衛星システム(GNSS: Global Navigation Satellite System)計測と2偏光を採用しており、電磁遮蔽や大量降雨などの影響が減らされます。テラサー・エックスとタンデム・エックスと3機体制で、同じ観測幅やモードでの運用を行い、再訪する期間が短縮され画像取得能力が向上、アプリケーションにも利点をもたらすと考えられます。分解能もそれに伴い25cmと報じられています。PAZの運用は、Hidesat社とエアバス・ディフェンス・アンド・スペース社が実施予定です。

同機に搭載されたスペースX社の小型インターネット試験通信衛星のマイクロサット2aと2b(Microsat-2A/2B)の2機は、欧米メディア報道によれば、同じ仕様の衛星とのことです。先に計画されていたマイクロサット1a/1bプログラムは、発展的解消のためキャンセルされ、2a/2bが実施されました。今後1万1,925機と言われる多量の地球低軌道に展開される衛星でインターネット環境を構築するスターリンク(Starlink)計画のための衛星の試験機として利用される予定です。両試験衛星は、米国で有名な冒険小説の「タンタンの冒険(The Adventures of Tintin)」シリーズに出てくる少年の名前に因んでティンティン(Tintin) A、Bという愛称で呼ばれているとのことです。

source : スペースX社


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