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ベピ計画の水星磁気圏探査は次の木星圏生命探査の鍵

最終更新 2017.07.11

JAXAは、7月6日(木)、来年打ち上げの日欧協力国際水星探査計画ベピ・コロンボ(BepiColombo)計画の中の日本の水星磁気圏探査機(MMO:Mercury Magnetospheric Oebiter)に関する記者説明会が開催されました。MMOは欧州側の担当する水星表面探査機(MPO:Mercury Planetary Orbiter)と共に水星の探査を行います。

MMOは、地球・金星・水星のフライバイを重ねて水星の周回軌道に投入されますが、水星の周囲の微弱な磁場を明らかにしていくことも大きな目的となっています。地球は、磁場の影響で太陽の強い放射線などを直接受けることが避けられていますが、水星はその10分の1とわずかながらも、その存在が明らかになっています。

また、水星は表面に月のようにクレーターが沢山ありますが、しわがよったり穴があいたりしたようになっており、その孔状地形は揮発性物質が抜けた跡と考えらます。見つかっている鉱物元素の組成も当初考えられていたものとは異なります。磁場も、形や構造は地球と似ているものの、やや北に偏っており対称でないという不思議な点もあります。こうなると南の状況を詳しく知りたいところですが、現在唯一周回観測が可能な米国の水星探査機メッセンジャー(MESSENGER)では南半球側は軌道高度が高いため詳細な観測が出来ずにいます。水星周囲の予想を超える高エネルギー電子の発見からも、ダイナミックな磁気圏の現象があると考えられます。

記者説明では、ベピ・コロンボ計画だけでなく、日欧協力の次期国際協力大型ミッションのジュース(JUICE:Jupiter Icy moons Explorer)の木星近傍探査における経緯と概要も説明されています。ここでもキーとなるのが、磁気圏です。木星は巨大な磁気圏を持っていますが、それはその周囲の衛星にも大きな影響を持つことになります。磁場は惑星や衛星の地下におけるマントルなどの対流と熱の存在を示唆します。木星の衛星のガニメデでは独自の磁場も観測されています。近年複数の惑星の衛星から発見され話題となっている地表下の氷は、磁場を生む地下のマントルなどの熱により液体海として存在する可能性もあるのです。

同日午後8時から欧州で行われたベピ・コロンボのセッションでも、JAXAからの報告がありました。欧州からは別途プレゼンテーションが実施されています。

水星ミッションのベピ・コロンボは、2018年10月打ち上げ、水星のフライバイを何回か経た後、水星への周回軌道への投入は2025年の予定です。また、木星ミッションのジュースは、2022年打ち上げ2030年に木星近傍に到達する計画となっています。

source : JAXA


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