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エグゾマーズ2020の着陸地点は候補2地点を推挙

公開日 2017.03.28|最終更新 2017.03.31

2020年に打ち上げが予定されている欧州とロシアの共同ミッションのエグゾマーズ(ExoMars)では、昨年10月既に火星に到着して周回観測を実施しているトレース・ガス・オービター(TGO: Trace Gas Orbiter)を、火星に降下した探査機との中継局として利用する予定です。

エグゾマーズ2020ミッションでは、2021年3月に火星に到着し、ロシアの固定表面科学プラットフォームと欧州のエグゾマーズ・ローバーが火星に着陸を予定しています。記事中では手前がローバー、奥がロシアの科学プラットフォームとなっています。ローバーは約310kg、ドリル(正面の灰色の箱)を持ち2mの深さまでサンプルを取り出すことが可能です。

エグゾマーズミッションの主要目的にある、火星上にかつて存在したかもしれない生命を立証するためには、39億年の過去に水が豊富であったと考えられる地域に、現在は太陽からの放射や宇宙放射線によって厳しい環境条件である表面ではなく、地下深く守られた地域を 探査することに、可能性を見出しているからです。

「エグゾマーズ2020 ESAローバー搭載機器」記事中では、ローバー全体を、ムービーで見ることができます。搭載機器も見やすくなっています。

2013年12月から選定が始まった欧州のローバーの着陸地は、2015年10月にオクシア平原(Oxia Planum)を最有力候補に、アラム尾根(Aram Dorsum)、とマゥルス峡谷(Mawrth Vallis)のどちらにするかまで絞られ、この3月に2日間行われた専門家達による会合で、第二の訪問地点には、マゥルス峡谷が選定されました。着陸地点選定には、科学的に興味深いだけでなく、エンジニアリングの観点からも安全であるという理由があります。

オクシア平原の120x19kmの楕円で囲まれた着陸地点は、パラシュート降下の減速を助ける大気がある低地であること、プラットフォームからタラップを使って出ていくローバーのために、着陸やタラップ展開を阻害する岩や急こう配、ぬかるみがない場所を選んでいます。選定された2地点とも北半球の赤道付近にあり、南側の高地から北の低地に向けて谷があります。多くの谷が広大で低い平地であるオクシア平原に向かって開けていて、その北2, 300kmにマゥルス峡谷はあります。2地点とも、全体的に鉱物の豊富な粘土質層が広がっています。

39億年前、湿った環境にて形成されたとされる鉱物の豊富な粘土質層になっています。粘土質の堆積物から数億年以上の期間、水が持続して存在していた可能性もあります。また、マゥルス峡谷の画像中に明るい色で示されるように、水と鉱物の関連を示す変性鉱物があり、熱水の影響もあるようです。その環境は古代の生命が生まれるためには有益だと考えられます。

最終的な決定は、打ち上げ1年前に欧州宇宙機関から、着陸予定地点とバックアップ地点が提示されるとのことです。

source : ESA


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