宇宙技術開発株式会社

欧州のガリレオ航法衛星は世界をカバーしたサービスを開始へ

最終更新 2016.12.16

「全世界をカバーする欧州独自の衛星測位システム「ガリレオ」の初期運用を開始する」と12月15日に欧州共同体(EU)により公式発表が行われました。

測位システムを構成するガリレオシリーズの衛星は、現在18機が軌道上にあり、11月に打ち上げられた4機が軌道上検証を実施中です。24機と軌道上予備機が揃うフルシステムは、2020年に達成される計画です。まだ追加の衛星打ち上げを実施するとともに、地上のインフラ設備の整備や、システム全体としての試験・検証を行う必要はあるものの、初期サービスは開始されるということです。

まずは、公開無償サービス、ガリレオ公共サービス、捜索・救助サービスの3種類のサービスが提供されます。

公開無償サービスは、チップセットを組み込んだスマートフォンやカーナビゲーションなどで使用可能なサービスで、無償で誰でも使用できます。GPSと完全に相互運用が可能で、カバー範囲を組み合わせることでより精度が高く、信頼のおける位置情報をユーザーに提供します。

ガリレオ公共サービスは、消防や警察など政府が認証したユーザーに対して暗号化された堅固なサービスが実施されます。

捜索・救助サービスは、国際緊急遭難信号の位置を特定するために古くから使われているコスパス・サーサット(Cospas-Sarsat)システムにヨーロッパとして貢献するサービスです。海上や屋外での遭難位置の特定時間を3時間以上から10分へと短縮するとともに、従来の10km圏内での特定から5km圏内での位置特定へと改善します。

現在、17社がガリレオ対応のチップを市場に投入しており、世界全体に供給されているチップの95%以上でカバーされています。

なお、2017年から軌道上に展開された後のガリレオシリーズの運用とサービス責任は、欧州測位衛星システム機関(GSA:European Global Navigation Satellite System Agency)に移行される予定になっています。

また、衛星を利用した位置の特定には、最低4つの衛星が同時に見えていなければなりません。記事中のムービーではガリレオ衛星9個、11個、15個のそれぞれの衛星数の場合でカバーできる領域が、可視化されています。

source : ESA


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