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火星マリネリス峡谷付近の水の影響を調査

最終更新 2016.08.26

火星中央に大きく広がるヴァレス・マリネリス峡谷ですが、火星表面に季節変化として繰り返し現れる斜面上の筋、RSL(Recurring Slope Lineae)の位置が、記事の図では青い点で示されています。

RSLは、夏にかけて薄れ、冬に同じ場所に暗い縞模様となって現れます。そのため、液体水の有無と直接関係があるのではないかと着目されましたが、最近の発見では水がほとんど含まれていないとされ話題となりました。しかし水和塩自身の存在は否定しないということで、水の存在の可能性を標すマーカとしては引き続きRSLは着目されています。

RSLが最も多くみられるのが、このヴァレス・マリネリス峡谷です。研究者達は、水分が全く検出されなかったので、水の検出上限を3%という非常に繊細なレベルに設定して調査が行われました。

調査には、火星を周回しているマーズ・オデッセイ探査機(Mars Odyssey)に搭載されている、地上気温を計測する熱赤外イメージシステムTHEMIS(Thermal Emission Imaging System)の数年のデータが使われました。

RSLの44パーセントの地域を、RSLの見られる場所と傍の見られない場所について夜間の温度の違いを計測したところ、システムの検出下限である1度Cの違いを検出できず、多くの水を含まないと結論づけています。

昨年出版された研究では、表面を構成する水和した塩はRSLの縞模様の出る季節に増えるために、水和塩中に水分子を保つのではないかと推測されました。最新のこの結果によれば、RSLが水を含む層である場合は、とても薄い層で、地球上で言えば砂漠と同じ程度である1キログラム土壌あたり3グラムの水、よりも少ないレベルであるということです。

水和塩の粒子間を十分に満たすほどの水が存在しないということで、今後のRSLの研究では大気中の水蒸気や地中の水の直接の介在のない季節変化として研究を進めることになりそうです。

source : NASA


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