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セレスが大きなクレーターを失う過程について

最終更新 2016.08.04

準惑星セレス(Ceres:ケレスとも言う)の周回探査を行っているNASAのドーン(Dawn)探査機に関する22本の短いビデオが公開されています。ドーンがセレスの探査を始める前の、2011年~12年の14か月間にわたってデータを集めたヴェスタ(Vesta)についてのビデオも含まれています。

セレスとヴェスタは表面の様子が大分異なります。セレスがその形を取り始める頃から、火星と木星の間の現在の軌道にいたと仮定すると、大きなクレーターの跡がないというのはある仮説を浮かびあがらせます。

研究者達の予測モデルによれば、セレス表面には、直径400kmより大きなクレーターが10-15個、直径100km以上は40個程度なくてはなりません。しかし現在セレスには直径100km以上のクレーターは16個であり、280km以上のものは1つもないのです。

6月30日のニュースでも紹介した通り、セレスの起源について、もともとセレスは海王星に近い軌道にいたと考えられており、その後何らかの理由でそこから現在の小惑星帯の軌道にまで移動し、大きなクレーターを無くす何かがここ数億年で起こったに違いないと研究者達は考えています。

一方で幅800kmクラスのくぼみが少なくとも3つ見つかっています。これらは大きな衝突により構成されています。大きなクレーターの欠如は、セレスの内部構造に起因するのかもしれません。
セレスの表面下の層に岩石よりも低い密度の塩や氷といったものが多くある場合には、それらが表面に噴出することにより、表面が滑らかに成り得るのです。オケイタークレーターの中心部は、最近の分析により、セレスの内部で液状の水が存在したかもしれないことを示唆しています。

最初の訪問先である小惑星ヴェスタの表面は、無数の大きなクレーターが存在します。ヴェスタの大きさはセレスの半分ほどですが、それはヴェスタ内部にはこうした水などの成分が少なかったことも意味しています。

8月4日の新しい記事では、ドーンで観測したセレスの重力データを解析することにより、セレス内部の構造が地球や月の内部にあるような岩石よりも、軽い素材で構成されていることが確認されたと報告されました。

また、現在の山岳地域や高高度地域を、水に浮かぶ船のように押し出す地形として形成した可能性とも合致します。セレスは、古代に表面層近くに水を形成しており、地球のマントルのようにケイ酸塩が溶けて金属核が出来るほど温度が上がることはなかったと考えられます。

source : NASA


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