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火星の峡谷は液体水で作られたのではない模様

最終更新 2016.08.02

火星を周回しながら観測を進めているNASAのマーズ・リコネッサンス・オービター(MRO:Mars Reconnaissance Orbiter)は、火星の多くの画像を送ってきています。高分解能カメラHiRISEの画像からは、多くの浸食地形が送られてきており、それは地球で見られる水による浸食峡谷の作る層状の地形ととても似ています。

ところが、ヘールクレーターの東の縁の約2マイル(3キロメートル)の範囲を撮影したカラー合成画像(下の写真)は、同じくMROに搭載されている鉱物の化学組情報を得られるCRISM(Compact Reconnaissance Imaging Spectrometer for Mars)のデータを追加したもので、全く水の影響による変化の痕跡がないことがわかりました。

南北緯度30-50度によく見られる浸食峡谷ですが、火星上の100を超える峡谷のデータを調査し、ここ数年言われている液体水や氷、二酸化炭素による影響の跡がないことがわかります。

先の研究で、既に水和などの結果として作成されているフィロシリケイト(粘土)などの含水鉱物を検出しており、我々は浸食の主なメカニズムとして液体水の影響を強く意識してきました。しかしながら、峡谷におけるCRISMデータからは、現在のところこれらの痕跡が見出せませんでした。

フィロシリケイトなどの研究と同じく、模擬環境におけるモデルを作成し、今後新たに生まれた謎を解明していくことになります。

source : NASA