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ESAが開発した宇宙飛行士用の能動式線量計EuCPAD

最終更新 2016.07.22

欧州宇宙機関ESAが開発した能動式線量計EuCPAD(European Crew Personal Active Dosimeter)が、18日打ち上げられたスペースX社商用補給9号機ドラゴン(CRS-9)により20日国際宇宙ステーションに到着しました。

能動式線量計EuCPADは、宇宙飛行士達が受ける放射線量を計測する装置で、ESAの宇宙飛行士トマ・ペスケ氏のミッションで実験に使われる予定です。

通常私たちも自然の発する放射線被ばくを受けていますが、地域差はあるものの一般的に高度が高くなれば受ける線量も高くなります。たとえば、航空機の搭乗員は地上での生活と比べると高い被ばく量を受けています。宇宙では太陽の発するものだけでなく銀河系起源の高エネルギー粒子など様々な種類の被ばくの可能性にさらされています。

宇宙飛行士達は、従来は受動式線量計(パッシブ・ドジメータ)で被ばく線量を計測し被ばく線量を超えないか帰還後に分析して管理していましたが、これを電子化して、現在の被ばく線量をすぐに把握できるように開発されました。この線量計は銀河系外からくる高エネルギーな放射線も含めて、様々な放射線タイプを区別できる感度を持っています。

この装置は、昨年9月にアンドレアス・モーゲンセン飛行士が短期訪問ミッションを行った時、初めて軌道上の試験が行われました。 装着ユニットと、バッテリの充電とデータ転送に使われる装置から構成されています。

この装置が使われるようになれば、地上の研究者が定期的にデータを確認できるようになり、どこでいつ線量被曝が起きたのか把握できるようになります。ISSのどこにいれば効果的に防護できるかを知ることもできるため、将来の深宇宙探査機の開発にも役立つでしょう。

トマ・ペスケ以降のESA宇宙飛行士の滞在ミッション時でも継続的にデータ取得が行われる予定です。

source : ESA


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