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マーズ2020計画NASAが概要を発表

最終更新 2016.07.20

NASAは、20年夏打ち上げを目指している新しい火星探査機に関する概要やデザインを、7月16日に公開しました。NASAでは信頼性向上とコスト削減のために、現在火星で活躍中のローバーキュリオシティ(Curiosity)の設計を最大限利用しています。ローバーは6輪でトップにカメラを持つ基本的な構造で、新たな観測機器が追加されています。

探査車を火星上に着陸するためのスカイクレーンもキュリオシティの時の技術を踏襲したものですが、地形や表面のでこぼこにも対応して安全に着陸できる機能が強化されています。将来のサンプル持ち帰りミッションを想定したサンプリングも行われます。

現在明らかにされている主要な搭載科学装置は下記。

MASTCAM-Z(アリゾナ大)

  • 火星表面の高精細ビデオやパノラマ画像を撮影する。機体高さ2mの位置に24.2cm離れた位置に設置されたステレオカメラでズームが可能。離れた目標物の拡大が可能。(分解能0.15mm-7.4mm/pixel(距離による))

MEDA(Mars Environmental Dynamics Analyzer:スペイン)

  • 火星表面の気象計測とダスト観測を行う。気温、風速、風向、気圧、湿度、大気中のダストのサイズや形状を計測。搭載カメラMASTCAM-Zを支える首あたりに配置。ダストセンサー、2基の風センサー、熱赤外センサー、3基の温度センサー。

MOXIE(Mars Oxigen ISRU Experiment:マサチューセッツ工科大)

  • 火星大気の大部分を占める二酸化炭素から酸素を生成抽出する実験装置。将来の探査機が帰りの推進薬や呼吸用の酸素を現地調達できるかその可能性を実証。

PIXL(Planetary Instrument For X-Ray Lithochemistry:NASA/JPL)

  • ロボットアームの先端に取り付けられている火星表面の物質を高精度に分析する装置で、従来の装置よりも詳細な分析が可能。

RIMFAX(Radar Imager for Mars' Subsurface Experiment:ノルウェイ)

  • 機体後部に搭載されたレーダーにより、地下の構造をcm単位で観測。地下の氷や岩石、砂、液体の水などから反射される信号の違いから、火星の地下構造の画像を得る。

SHERLOC(Scanning Habitable Environments with Raman & Luminescence for Organics & Chemicals:NASA/JPL)

  • ロボットアームに搭載。分光計とレーザーとカメラを使い有機物や鉱物を調査することで水環境や過去の微生物の印による変化を探す。

SUPERCAM(フランス)

  • カメラ部分はMASTCAM-Zを搭載するのと同じヘッド部に設置され、本体は機体内部に設置されている。カメラ、レーザー、分光計を使い、火星にかつて存在した生命に関連する有機物を探す。7m以上ある場所から小さな目的物の化学的または鉱物的な組成を識別する。

マーズローバーページのトップのビデオ50 years of Mars Explorationで、NASAの関わる過去の火星探査および2016年に打ち上げを予定しているインサイト(Insight)ミッションも含め火星探査について確認できます。(但しインサイトは2016年打ち上げから2018年打上げへと延期されています)

マーズ2020は、2020年夏に打ち上げられると、火星到着は2021年2月になります。

キュリオシティは岩石サンプルについて微小観測し、層状の岩石サンプルの観測など貴重な結果を地球に送ってきました。今回のローバーは更にそれを発展し、火星上の生命に焦点を置いたものになる予定です。

source : NASA


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