宇宙技術開発株式会社

NASA森林火災シェルター開発に協力

最終更新 2016.07.13

NASAは米国林野庁(U.S. Forest Service)と共に、宇宙時代の素材の内のいくつかについて、森林火災時の緊急シェルターに使うことができるよう、NASAチーフスCHIEFS(Convective Heating Improvement for Emergency Fire Shelters)プロジェクトを進めてきました。

この協力は、2013年の米国アリゾナ州で起きたヤーネルヒル火災(Yarnell Hill fire)で緊急シェルターを使わざるを得なかった19人の消防士たちが死亡した痛ましい事故から始まりました。宇宙船の熱遮断材を開発しているグループがいるNASAのラングレー研究センターと米国林野庁が、2015年に共同研究の協定に署名しました。

チーフス・プロジェクトでは、70のサンプル素材を290の組み合わせでスクリーニングすることから始めました。林野庁のミッソーラ技術開発センターMTDC(Missoula Technology and Development Center)では火災シェルターのための新しい素材技術に関するレビューが、2014年から開始され、2018年の完成を目指して開発が進められています。

MTDCで火災シェルタープロジェクトを率いているのは、1994年のコロラドの森林火災時に火災シェルターを使って生き延びた人物であり、この時は8人が助かりましたが、他の14人が亡くなりました。現在使われている火災シェルターは、重さ1.95kg、薄さは1ミリ以下で半ガロンのミルク瓶ほどの体積に収めるという厳しい制約があります。

すでに昨年夏に3日間費やし、22個の実物大シェルターを使った試験がカナダのアルバータ大で行われましたが、そのうち4つはNASAの設計です。実際に小屋の中にセンサーなどをいれてセットされたシェルターを、8つのプロパンバーナーで燃やして実験が行われました。

NASAが設計した素材は炎やガスの侵入をよく食い止めましたが、最終的には炎が下側から入り込みました(無人試験だと中から押さえる力がないため)。また高温のガスも継ぎ目から侵入しました。今年は、第2世代の火災シェルターの5つの概念を、再度実験・評価する段階へと進むことになりました。

NASAでは今年の評価後にその成果をまとめ、2017年初頭には米国林野庁に得られた研究成果を引き渡し、2017年夏までには新しく開発されたプロトタイプのシェルターを作り、2018年までには承認を得ることを期待しています。

source : NASA