宇宙技術開発株式会社

きぼうにも降り注いでいる電子の集中豪雨

最終更新 2016.05.18

国際宇宙ステーションに設置された日本の「高エネルギー電子・ガンマ線観測装置(CALorimetric Electron Telescope: CALET)」の観測データから、ISSが夕方から夜にかけて磁気緯度の高い地域を通過する際、ステーションにも数分間に亘って電子が降り注ぐ「電子の集中豪雨」が起こっていることがはじめて明らかにされました。

記事の図でも示されるように、オーロラ活動が活発だった2015年11月10日、数分間という短い時間ですが、放射線電子のカウント数について、想定されていたカウント数の数10倍から数100倍にまで急上昇し、準周期的に強弱の変化を示す状況が検出されました。

「電子の集中豪雨」現象自体は新発見ではなく、これまで主に極軌道衛星によって高緯度地域で観測されてきたREP(Relativistic Electron Precipitation、相対論的電子降下)と呼ばれる、バンアレン帯電子の大量落下現象と同じものだと考えられます。「電子の集中豪雨」の観測は、現在のISSの放射線環境を正しく知る上でも貴重なデータです。

電子の集中豪雨は人工衛星の帯電による障害や、中層大気のオゾン破壊の原因となるため、今後、宇宙天気予報の研究や大気化学の研究に役立つことが期待されます。成果は5月7日付のGeophysical Research Lettersにオンライン掲載されました。

source : JAXA


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