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火星探査ローバーオポチュニティはかつてない急斜面への挑戦は断念し次の目標へ

最終更新 2016.04.05

NASAの火星探査ローバーのオポチュニティ(Opportunity)は、2004年1月に火星着陸以来、長期に亘る挑戦を重ねてきました。記事最初の画像は、2016年3月22日にオポチュニティが撮影したもので、上側に見えているのがオポチュニティの太陽電池の下側で、下方に見えているのが自身の影、間に自身の通った軌跡が火星表面に刻まれているのがわかります。

写真左側のマラソン・バレー(Marathon Valley)方向に向かって傾斜している山腹で撮影した画像で、写真の傾きを調整するため、13.5度回転させた画像です。奥に見えるのはエンデバー・クレーター(Endeavour Crater)の底の部分にあたります。ローバーは、傾きを調整するため、13.5度向きを変えました。

2つ目の画像は、前日3月21日にオポチュニティのナビゲーションカメラから撮影されたもので、太陽電池パネルの上には塵や砂の筋が見えています。NASAはオポチュニティをかつてない急斜面へ移動させることに挑戦しましたが、3月10日にクヌーセン・リッジ(Knudsen Ridge)頂上付近の目標に近づいた時点で、ローバーの傾きは32度にも達しました。登りのため車輪の滑りは予想していたものの、滑りがなければ20メートルほど進むはずの車輪がほんの9センチしか進めず、この目標へ向かうことは断念しました。

この目標へは3通りのルートで到達を挑みましたが、いずれも失敗しました。ここは火星の軌道周回機であるマーズ・リコネッサンス・オービターによる鉱物マッピング観測により、水の存在によって形成された粘土質が識別された地域です。

3月10日にはオポチュニティ自身の2004年のバーンズクリフで達成した記録を超え急な斜面を移動した記録を更新しましたが、3月31日には、次の目標に向かって移動を始めました。

なお、2016年3月31日はオポチュニティが2004年1月に火星を探査しはじめてから、4332sol(火星日)にあたりますが、その日の撮影画像が4月5日付のNASAの記事にも紹介されています。振り返って見える風景の中にダストストームと思われる火星の竜巻「ダストデビル」が見えています(関連リンクの1つ目、2つ目のURL参照 ※)。

source : NASA


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