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欧州はEDRSシステム導入で危機対応時間を大幅に短縮

最終更新 2016.03.03

1月末に打ち上げられたユーテルサット9B衛星には、欧州の新型データ中継システムEDRS-A(European Data Relay System)ペイロードが搭載されています。

欧州の新しい衛星データ中継システムEDRSは、従来の無線波通信に加えてレーザー通信を追加することで地球観測などの大容量のデータを中継する能力を強化しています。レーザーターミナルの能力は毎秒1.8Gbit、更に無線波通信は毎秒300Mbitで、静止軌道上から低軌道衛星の通信を中継する予定です。

EDRS稼働に先立ち、2015年11月にESAのアルファサット通信衛星を使ったセンチネル1A衛星のデータ通信のデモンストレーションが実施されており、このアルファサット衛星上のTDP(Technological Demonstration Payload) 1(レーザー通信装置)によるセンチネル1A衛星データの転送について、ESAから紹介されています。

収集後直ちにレーザー光で地上局にまで送信され、13分後にはドイツでユーザが利用可能な画像にまで処理することができました。画像に写った船はその5分後には識別されました。EDRSサービスのひとつとして、準リアルタイムでの船舶検出がありますが、その目的を初めて実証しました。

つまり、18分間で、原油流出や不法移民や海賊行為のような急速な状況展開に対応することを必要としている分野に、EDRSシステムは有効であるということです。EDRSを使わない場合は、地上局上空を衛星が通過する機会にデータを収集するしかないため、1時間以上かかります。

source : ESA


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