宇宙技術開発株式会社

NASAは地球科学分野の軌道上試験のために4つのキューブサットを選定

最終更新 2016.02.23

近年の超小型衛星(キューブサット)の普及により、地上などで実現出来ない宇宙環境での機器の性能試験など、手軽にできる環境が整ってきました。こうした背景からNASAは、地球観測を含む宇宙での科学機器の動作試験のために、4つのキューブサットプロジェクトを選択しました。

CubeRRTは、近年増大するマイクロ波放射計への電波干渉の影響の把握と軽減を行うための技術開発プロジェクトで、成功すれば、将来の地球観測ミッションでマイクロ波放射計が収集するデータ品質の向上につながる技術になります。

Compact Infrared Radiometer in Space (CIRiS)は、低周回軌道上での小型赤外放射計の性能を試験すると共に、将来のランドサット衛星を含む様々なミッションの新しい観測装置に使うことが出来る機器の較正とデータ処理アルゴリズムの確認も実施する予定です。

CubeSat Infrared Atmospheric Sounder (CIRAS)は、超小型の赤外線大気サウンダーで、現在、NASAのアクア衛星に搭載されているAIRSセンサや、NASA/NOAAのJPSS(Joint Polar Satellite System)衛星に搭載されている赤外線サウンダーCrISが観測している下部対流圏の温度と水蒸気量の観測と同様の観測を行う事が出来る可能性を持つキューブサットサイズの装置として設計されたものです。将来はCIRAS衛星を多数並行して運用することで、天気や気象サービスの時間分解能の改良を行えるようになる予定です。

Precipitation Profiling Radar in a CubeSat (RainCube)は、降雨プロファイリングレーダーで、キューブサットに搭載される初の能動レーダーとなる予定です。Ka帯の降雨レーダー用のコンパクトな展開式アンテナと新しい処理技術を検証します。このRainCubeも複数の衛星を並行して運用するコンステレーション形式とすることにより、予報モデルの改良に使える気象観測の時間解能の向上につながる可能性があります。

これらの新たに選定された4つのキューブサットはいずれも、10×20×30センチメートルのサイズで。NASAのInVEST(In-Space Validation of Earth Science Technologies)プログラムの予算で開発されます。約2、3年で製造し、打ち上げられます。4つのプロジェクトの初年度の開発予算は計約900万ドルの予定です。

source : NASA