AIS通信のための新しいコンパクトアンテナの開発

最終更新 2016.01.21

ESAは小型衛星にも搭載可能なコンパクトタイプのAIS(Automatic Identification System :自動船舶識別装置)アンテナを設計しました。記事中の画像で工芸品のように見えるのが、欧州宇宙機関ESAの先進研究通信システムARTES(Advanced Research in Telecommunications Systems)プログラムで開発されたアンテナです。

AISは船舶の航行管理を行うためにVHF波長帯の信号を使うシステムであり、地平線が見える範囲内(74km)でしか電波が届かないため、従来は船舶対船舶や沿岸域で利用されてきました。しかし、最近では宇宙から世界の船の追跡や航行把握への利用に範囲を広げています。ESAは、2010年に欧州のコロンバスモジュールに実験用のアンテナを搭載しました。

コロンバスで使用したAISアンテナは広い範囲の信号を捉えられるよう低ゲインのホイップアンテナを採用しましたが、今回開発した新しいアンテナは低ゲインのアンテナと興味を引く地域に焦点をあてるハイゲインアンテナ(4枚の三角形で構成)を組み合わせることで、アンテナの視野範囲内であれば個別のAIS信号の識別能力を向上させることができます。

VHF帯は波長が長い電波を使うため、アンテナは約1mの長さにまで大きくなります。しかし、アンテナの下に取り付けた四角いパターンの構造を利用することで信号の挙動を変化させ、幅50センチメートル、薄さ3センチメートルにまで小型化することが可能になりました。

source : ESA


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