宇宙技術開発株式会社

スペースデブリのためのキーテクノロジーの開発D4D

最終更新 2015.12.16

スペースデブリ、いわゆる宇宙からの人工物落下による事故は、過去数年の間に数十の事例があり、1997年の米国テキサス州の事例では農家から50mの距離に、250kgもある燃料タンクが落ちるというものがありました。現在のスペースデブリに関する規則ではそうした事故が起こらないことが要求されています。制御不能なこうした物体の大気圏再突入は1万分の1よりも低い確率ですが存在します。

欧州で進められているクリーンサット(CleanSat)計画の取組に、D4D(designed for demise:消滅させるための設計)という将来の低軌道衛星に求められる技術開発がされています。衛星の大気圏突入は、一気に起きる現象ではなく、内部が徐々に壊れ高度70-80kmで破壊されていく段階的な様子が捉えられています。地表まで生き残る種類の物体はチタンやステンレスなど高融点の金属で作られた推進薬タンクや、密度の高い物質からなる光学機器、大きな機構の類です。

例えば新しいアルミニウム合金製タンクの開発や、速い段階で十分に高熱に曝されるように早目に破壊されるような衛星設計がD4Dに求められています。ミッション計画者は、衛星開発プロセスにおいて破壊可能性の評価を開発の様々な段階で行えるソフトウェアパッケージをいくつも使用します。実際の試験の様子として、ドイツにある風洞での電気アークヒーターと結合された超音速エアジェット噴射によってサンプルが高温で溶けていく様子を調べる試験も紹介されています。

source : ESA