宇宙技術開発株式会社

ボルネオの森林火災の続報

最終更新 2015.12.02

10月にもお伝えした通り、インドネシアのボルネオ島の森林火災は更に深刻さを増しています。例年より雨期が遅くなったこと、土壌下の泥炭が燃えるためサバンナの通常の火災の3倍の二酸化炭素と10倍のメタンを放出するという点も深刻さを増す原因となっています。通常雨期にはいる11月には自然鎮火する火が、今年は異常気象もありコントロール不能で燻りつづけ、観測が始まったどの年よりも火災が多くなっており、この火災の放出する温室効果ガスの量は、日本が1年で放出する温室効果ガスの量を超えています。

1日に放出する炭素量も、米国全体の経済活動で生じる炭素量の1日平均より、更に多くなっています。主な観測はアクア(Aqua)衛星とテラ(Terra)衛星に搭載されたモディス(MODIS)センサによるデータを基にしていますが、カリプソ(CALIPSO)衛星の観測における、3km上空に広がる煙の鉛直分布も示されています。テラ衛星搭載のモピット(MOPITT)センサからは、スマトラ島とボルネオ島双方の一酸化炭素濃度の観測も公開されています。

多くの一酸化炭素は地球表面付近には留まりません。、アクア衛星に搭載された大気赤外サウンダーAIRSの観測では上空5kmほどに濃度が高い領域があることが観測されており、オーラ(Aura)衛星に搭載されたマイクロ波リム観測サウンダーMLSは10月末に9km以上のところで濃度が上昇したことも検出しています。 2015年10月21日に、静止軌道上より更に遠いL1ポイントからDISCOVRから撮影した地球(半球)にも、その煙がはっきりと映るほどになっています。

source : NASA