宇宙の放射線から火星へと向かう飛行士達をどう守るか

最終更新 2015.10.02

NASAでは、2030年代に火星へと宇宙飛行士を送り出すにあたり、その旅程で致命的な危険性のある宇宙放射線のリスクをどう減らしていくかという課題に取り組んでいます。現在国際宇宙ステーション上や様々な宇宙機上でも、宇宙放射線による被ばく量を計測していますが、火星への旅程は地球磁場に守られている環境より厳しいものとなります。

太陽活動において不定期に生じるコロナマスエジェクションでは高エネルギーの陽子が多く放出されますが、そうしたものによる被ばくのほとんどは宇宙船の構造体で物理的に守ることができます。しかし、2つめの放射線の源泉となる太陽系外の銀河から来る宇宙線GCRの中には、高エネルギー陽子より更に高いエネルギーを持つものがあり、宇宙船構造物にあたっても更に2次放射線としてエネルギーを放出するため、飛行士達にとって危険になることが知られています。

この2番目の危険な銀河放射線から保護するためには、2つの方法が考えられています。それらを適用すると更に質量が増し多くの打ち上げ燃料を必要とするかもしれません。

1つは素材として二次放射線の放出を吸収するものを配置することで、飛行士達の必要とする飲料水を利用する方法や開発中のホウ素窒化物ナノチューブがあります。についてはリサイクルシステムについて更に探求が必要であり、また、ホウ素窒化物ナノチューブについては、それを宇宙服として織ることができるような糸にまで開発は進められていますが、その先はまだ開発や実証が必要です。

もう1つの方法は、なんだかSFの世界のようですが磁場フィールドを作ることで、正確に局地的に地球磁場のような力場を作ることができれば、宇宙線や生息場所の周りを保護することができます。こちらについては大規模スケールで十分な力場を持つ構造材の作成の更なる実験と努力が必要ということになります。放射線リスクを相殺できる医薬品の開発もさらに安全な旅を容易にすると考えられていますが、様々な方法を複合して将来的な旅程が組まれるとNASAは論じています。

source : NASA


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