宇宙技術開発株式会社

冥王星の月シャローンの極域生成の説

最終更新 2015.09.10

今年7月14日に冥王星に接近したNASAの探査機ニューホライズン(NewHorizons)により466千キロメートル離れたところから2015年7月13日撮影された冥王星最大の月シャローン(Charon:カローンとも言う)の画像が紹介されています。

高分解能カメラLORRIと同日に撮影した低分解能カメラRALphのカラー情報を使い合成された画像となっています。この画像の北極域は赤黒い堆積物で覆われていて、他の部分と明らかに異なることがわかります。

また、ジョン・ホプキンス大学で科学者達は冥王星の赤っぽい外観を作るソリン(tholins)と呼ばれる複合科学組成を実験室環境で製造してきており、これを様々な放射線に曝すと、黄色から赤黒い色へと変わっていくことが確かめられています。

極域のあきらかな組成の違いを説明するために改めてシャローンの環境を見てみると、表面温度はとても低くマイナス213度~258度で、絶対0度よりも10度ほど高いに過ぎません。つまり、シャローンの環境では液体で表面に何か存在することは考えられず、気体はすぐに固化し、固体は液体にならず直接気体へと昇華します。

一説として、冥王星の薄い大気がごく少量ずつ宇宙へと逃げていきますが、実はシャローンによって定期的に捕獲されているかもしれないと考えられます。シャローンに捉えられた気体はすぐに固体となり、宇宙へと逃げる代わりに、北極で凍って堆積するのです。これは科学者達が「コールド・トラップ」と呼ぶもので、格別新しい原理ではありません。

冥王星大気は窒素が主成分で他にメタンや一酸化炭素がいくらか含まれていることがわかっていますが、これらと同じものがシャローンの北極域を覆っていると考えられます。凍った物質が太陽光で別のもっと高温でしか昇華しない異なるソリンのような物質へ変化していることも考えられます。この説では数百万年の間に冥王星の大気が堆積・成長し現在のシャローンの極域の違いを生んでいると考えられます。

source : NASA