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エンケラドス地下熱水のしくみ解明

最終更新 2015.03.12

NASAおよびESA共同ミッションのカッシーニ宇宙機は土星を周回し、その周囲の月も観測しています。土星の月のひとつ「エンケラドス(Enceladus)」の凍てついた表面の中に液体水があることが既に発表されていましたが、今回は、その内部の海が、熱い岩石に接触し海底からの熱流活動として、表面岩石を通し周囲に小さな粒(カッシーニ搭載の宇宙塵分析器(CDA)がシリコンが豊富に含まれる岩石粒を多く検知)を飛ばしているのではないかという仕組みに関する論文が発表されました。今週のネイチャー誌でこれについての最初の論文が出版されています。

エンケラドス内部の熱水の仕組みは、4年間のシミュレーションと実験室での実験を基にした解析データから、地球の海底でもまれに起こる現象のように、内部で熱い岩石と接触した冷たい水が熱水として吹き出す現象と大変似通っていることがわかりました。

もしこの種の熱水が内部で保たれると、すぐに海洋で生じるメタンガスによる海洋の飽和が起こりますが、現在観測されている噴出のように、今回明らかにされた仕組みで起こる泡としてのメタンなどの気体を宇宙に放出しているかもしれません。東京大学のチームでは、この仕組みと同じ熱水の活動の仮説を検証し明らかにしています。

エンケラドス周辺で見られる細かな岩石粒がプルームとして吹き出す現象は、エンケラドス海底で、熱水となる条件が生じる海底から宇宙へ50km程度の距離を、小さな岩石粒は数か月から数年かけて移動し大型化していると考えられます。

関連するカッシーニ宇宙機の観測データを基にした発表では、2005年に極域の凍った部分から予想より高い温度の噴出物があることがわかっており、科学観測から表面のひび割れた部分より水や水蒸気、塩、有機物がプルームとして噴出していることが明らかにされています。

また、重力探査の結果により、エンケラドスの表面近くの30~40kmほどの厚さの凍った殻の下に10kmほどの深さがある海が存在していることが、2014年に明らかにされています。

source : NASA


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