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新たな発見が続く土星とその月
目次
土星は、太陽からのおよそ9.537AU(太陽・地球間の平均距離の9.537倍)離れ、太陽の周りを回っています。
土星は、太陽系の中では大きさともに木星と同じタイプの星で、ガス主体の惑星です。その特徴は、周囲を取り巻いて回る輪の存在と、目視でもわかるほど扁平であることが挙げられます。また、土星の直径は地球の9倍以上と大きいのですが、その平均密度は非常に低く、結果的に、表面重力が地球表面重力よりやや小さいことがわかっています。土星の最も大きな衛星タイタン(Titan)は、水星や冥王星よりも大きいことで有名です。
さて、現在までに土星に達したミッションは、NASAの
パイオニア11号(Pioneer-11)、ボイジャー1号と2号(Voyager-1,Voyager-2)、そして、現在撮影を続けているNASAとESAの共同ミッション
カッシーニ(Cassini)とホイヘンス(Huygens)があります。
パイオニアとボイジャーの2つのミッションにより明らかにされた土星
パイオニア11号は、1979年9月1日に初めて土星の2万1000kmまで接近しました。いくつもある輪とその間に暗く見えた隙間(カッシーニの隙間と呼ばれている部分)は、当時その組成からして諸説あり謎とされていました。
細かい粒子が土星の周りを回る輪を、
パイオニア11号が初めて接近の撮影し、それまで存在がわかっていなかった新しい輪についても発見・命名されました。また、映像撮影だけではなく、磁場の直接測定なども行われました。当時の通説では生命の存在の可能性が大いに期待されていた土星の衛星タイタンですが、パイオニア11号の土星の内部の放熱の測定により、
衛星タイタンが生命を維持するには寒すぎることが明らかにしました。
ボイジャー1号が1980年11月、ボイジャー2号が1981年8月に、土星に最接近した際の観測では、
土星の上層大気が7パーセントのヘリウムと残りのほとんどが水素であることが計測されました。この大気組成が、土星が太陽から得られる熱量に比較すると暖かい原因であるとも言われています。より低い高度では、ヘリウムの値が多くなっていることが予測されました。また、
土星の赤道付近では秒速500mという強風を計測し、
中緯度や極域のオーロラが計測されました。ボイジャーの2衛星は、およそ1万6千枚という多くの土星周辺の撮影に成功しています。
<参考サイト>
□NASAが説明しているパイオニア11号(Pioneer-11)の概要(英語)へ
□NASAのボイジャー(Voyager)プロジェクトのページ(英語)へ
太陽系外を目指した衛星のその後
更に地球より遠方の天王星、海王星までは、ボイジャー2号が接近し撮影に成功しています。冥王星は、接近撮影を行ったミッションは今のところないのですが、現在NASAのニューホライズン衛星(New Horizons)がその初の試みを実現するため、冥王星へと旅を続けています。
さて、太陽系外を目指したパイオニア10号ですが、木星接近後に
太陽系が受ける放射線帯流の川下に向かって(銀河から太陽系が受ける流れと同方向)外へ飛びたっていきました。パイオニア10号は、
冥王星より外の軌道に達した初めての人工物となりました。
その後1997年3月31日に、パイオニア10号のプロジェクトは終了し、ボイジャーの速度より遅かったパイオニア10号は、途中でボイジャーに追い越されました。2002年3月2日と4月27日には、最後と言われながらも衛星からのデータ取得に成功、2003年1月22日にも微弱な信号を取得しています。但し、その時にはもう「地上から送ったアップリンク信号がパイオニア10号に届いて正常に動作したかどうか」については、確認することができなかったそうです。
一方、
パイオニア11号、ボイジャー1号と2号は、先のパイオニア10号とは逆に
太陽系が受ける放射線帯流の川上方向に向かって(銀河から太陽系が受ける流れと同方向)飛行していきました。
ボイジャー1号は土星に接近後、飛行し続け、1990年2月14日には、太陽と6つの惑星(金星、地球、木星、土星、天王星、海王星)外側から見た「太陽系ファミリー」の写真撮影を行いました。
その後、
ボイジャー1号は、1998年2月17日にパイオニア10号が旅した距離を凌ぎ、
太陽から最も遠い人工物という記録を打ち立てました。また、2006年の8月には、地球から100天文単位(AU)の距離に達したことが報じられ、
2006年8月15日には、太陽系の外縁「heliosheath」という太陽の影響がその外側では非常に弱くなる場所まで
到達したことが発表されています。
太陽系の外縁「heliosheath」には、低エネルギー粒子、イオンの流れが徐々に変化して殻のようにうずまいていると考えられています。
ボイジャー1号は、2010年12月に、計測上は太陽風0の最外縁に達し、そうした場所の計測を行うために、2011年3月7日に方向転換を実施しています。その後方向を定めるためのガイド星として、アルファ・ケンタウリをとらえたまま、正常に稼働しています。既に数々の功績を残し、今後も方向変換・計測を行う予定で宇宙を旅しています。
ボイジャー2号は、
1986年1月24日に天王星の8万1500キロメートルまで
接近し、約千枚の画像撮影に成功しました。天王星とその衛星と輪の撮影、大気組成や内部に関する多量の科学的データ、天王星周囲の磁気環境計測データを得ることが出来ました。
また、ボイジャー2号は、
1989年8月25日に太陽からおよそ30AUにある
海王星に最接近し、搭載ソフトウェアを改良した結果、約1万枚もの画像撮影に成功しています。
ボイジャー2号<は、1号とは少し異なる軌道を通ったため、方向が少し違いますが、どちらも太陽系を出る際のボウショック(bowShock)の部分を通過しています。付近での観測の結果、太陽系が受ける放射線帯流の上流方向は磁気バブル(泡)ともいえる流れが沢山うずまいていることが明らかになりました。
さて、2006年1月19日に打ち上げられ、冥王星を目指すNASAの
ニューホライズン(New Horizons)は、これに続き冥王星以遠を目指す宇宙機で、2007年2月には木星に接近しました。ニューホライズンは、木星のスウィングバイにより速度をあげ、土星および天王星を通りすぎたところです。すでに海王星をとらえた画像が取得されています。土星軌道との交差は2008年6月8日、天王星軌道との交差は2011年3月18日となっています。海王星軌道との交差は2014年8月の予定です。冥王星にターゲットをあてているため、天王星・海王星についてはあまり接近することはありません。ニューホライズンは、2015年7月に冥王星に到達し、32周回しながら冥王星観測を行った後2016年に、冥王星以遠に小惑星などが多く存在するカイバーベルトと呼ばれる部分を通って更に旅を続ける計画となっています。
<参考サイト>
□NASAのボイジャー1号が撮影した土星の画像(英語)へ
□NASAのボイジャー2号が撮影した土星の画像(英語)へ
□NASAのボイジャー2号が撮影した天王星の画像(英語)へ
□NASAのボイジャー2号が撮影した海王星の画像(英語)へ
□NASAのボイジャー1号および2号の近況(英語)へ
□NASAのボイジャーによる太陽系が受ける放射線帯流の磁気バブル発見(英語)へ
□NASAの冥王星ミッションNew Horizonsのページ(英語)へ
□NASAの冥王星ミッションNew Horizonsの撮影した画像(英語)へ
□NASAの冥王星ミッションNew Horizonsの現在の位置(英語)へ
土星及び太陽系の外へ向かった探査機の年表(クリックして拡大)