エンジンを切った小惑星探査機ドーンは衝撃的画像を送り続ける

最終更新 2018.07.04

NASAの小惑星探査機ドーン(Dawn)は、2007年9月に打ち上げられ、2011年から2012年に小惑星ヴェスタ(Vesta)を観測し、次に2015年に準惑星セレス(Ceres:ケレスとも言う)に到着、観測を進めてきました。NASAの6月28日の発表によると、6月21日にドーンの最期のイオンエンジン噴射の後、残りのミッション計画を確認したうえで、26日にイオンエンジンへの電力供給が切られました。

セレスは火星-木星間の小惑星帯にある最大の天体で、直径が約950km、約9時間で自転しています。ドーンは、2015年3月に準惑星セレスに到着し、高高度、中高度と順に周回観測を実施し、同年12月からは低周回軌道へ降りてセレス上空385kmから観測を進めました。その後、延長ミッションが実施され、連続稼働してきたイオンエンジン4基のうち3基までの故障も経験しました。2017年の10月には2回目の延長ミッションとして、更に高度を下げて観測ができる楕円軌道(遠地点4,000km、近地点35km、1周27時間)観測を行うことが決まりました。

ドーンのイオンエンジンは、10年以上のミッション期間中に延べ5.87年という噴射記録、通算41,360km/hの速度変化という記録を達成しました。今後さらに2, 3か月かけて観測を行い、データを地球へと送るのを最後に、ドーンはその探査機の役目を終えると見られています。

現在、次々とセレスの低高度接近のデータが送られてきています。6月14日に高度39kmに接近して撮影されたヴィナーリア白斑(Vinalia Facula)の画像が、NASAの記事で紹介されました。ヴィナーリア白斑は、セレスに点在する中でも最大のクレーターのひとつ、オケイター・クレーター(Occator Crater)の中に輝く白点です。セレスには同様の輝点を持ったクレーターが、準惑星全体に点在しています。初めははっきりしていなかった組成も、接近観測から炭酸カルシウムであることがわかってきました。

白斑が示す炭酸カルシウムは、セレス内部から噴出した堆積物と考えられています。表面近くに鉱物が豊富な水が捕らわれているためなのか、より深い場所から割れ目を通って上に浸透してきた塩水(塩が豊富な水)によるものなのか、謎とされてきましたが、今回の接近観測により謎の解明の一助になると期待されています。接近観測では、ドーンの他の装置のデータも取得されており、詳細な組成について今後も報告が続けられます。

source : NASA


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