中国旧宇宙ステーション天宮一号の大気圏突入

公開日 2018.03.13|最終更新 2018.04.02

中国の発表によれば、中国の旧宇宙ステーション天宮一号は、北京の宇宙飛行管制センターと関連機関を通じ分析した結果、日本時間2018年4月2日(月)午前9時15分大気圏に突入し、南太平洋上の落下区域で大部分が焼失したとのことです。

これまでの予測経緯として、3月半ばに欧州宇宙機関ESAから、中国の旧宇宙ステーション天宮一号の大気圏突入・落下予測が発表されました。大気圏突入・落下予測は、2018年4月1日(日)~2日(月)(中国発表で4月2日予測は日本時間4月2日(月)午前9時24分~10時1分)ということで、ドイツ ダルムシュタットにあるESAのスペース・デブリ・オフィスが4月1日(日)に発表した予測でした。

予測値は3月半ばまで週ごとに、月末は1, 2日毎に実施されていました。(3月28日予測値は3月31日~4月1日、3月26日予測値は3月30日~4月2日、3月22日予測値は3月30日~4月3日、3月6日予測値は3月29日~4月9日)記事中の「map here」をクリックするとESAの分析図が、また、冒頭の「Read our updated FAQ」をクリックするとESA側の対応FAQのページが表示されます。

ESAのFAQで明らかなように、中国政府は、国連の国際連合宇宙局(UNOOSA:United Nations Office for Outer Space Affairs)に大気圏突入に至ることを通知し、軌道予報とモニターの強化のため、国際機関間スペースデブリ調整会議(IADC:Inter-Agency Space Debris Coordination Committee)に国際的な共同の監視と情報配布キャンペーンを委任しました。

天宮一号の本体は、長さ約10.4mでおよそ3×7mの太陽電池パネル2枚を持っています。打ち上げ時の重量は、燃料も含めて8.5トンと報告されています。今まで制御不能で大気圏突入した機体はスカイラブが最も大きく74トン、いずれも歴史上宇宙デブリによる死傷事故は起きたことはありません。制御不能状態で落下が予測されるのは、長さ数千km、幅数十kmの範囲になりますが、地球の大部分の地域はほとんどが無人または海域であるため、1年間に雷に打たれる可能性と比較しても危険性は1,000万分の1低いとESAは事前に指摘していました。

天宮一号の軌道傾斜角は約42.7度、北緯43度から南緯43度までの範囲のどこで突入するかは、正確な事前予測は難しい状態でした。中国も事前に大気圏突入予定とアナウンスをしており、メディアからは大気圏突入後、機体は燃え尽きる予定と伝えられました。
中国の4月2日当日朝の発表では、天宮一号の2日午前7時20分の高度は約132.75km(近地点高度約130.9km、遠地点高度134.6km、軌道傾斜角42.7度)となりました。(3月28日発表の28日高度は約202.3km(近地点高度約193.9km、遠地点高度210.8km、軌道傾斜角42.67度)、3月22日発表の22日高度は約224.8km(近地点高度約217.8km、遠地点高度231.8km、軌道傾斜角42.64度)、3月5日発表の2018年2月25日~3月4日の高度は約251.5km(近地点高度約238.6km、遠地点高度約264.4km、軌道傾斜角約42.79度))

なお、天宮一号は中国の宇宙ステーションのコアとして2011年9月に打ち上げられました。現在は天宮二号をコアとする宇宙ステーションが使用されています。

source : ESA, ESA FAQブログ

また、ESAが3月28日に、ドイツのフラウンホーファー研究所のレーダーが、高度270km付近で捉えた天宮一号の画像を紹介しています。同じ画像がフラウンホーファー研究所の3月21日のプレスリリースでも紹介されています。

source : ESA

また、4月1日のフラウンホーファー研究所のツイートでは、高度161kmでの画像を取得。次のレーダー観測時にはもう落下しているため、これがおそらく最後の撮影画像となるだろうと紹介しています。突入の軌道も描かれています。

source : フラウンホーファー研究所のツイート


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