NASA商業用搭乗員プログラムの進捗状況

最終更新 2018.01.12

NASAは、産業上のパートナーであるボーイング社とスペースX社と共に、2018年中に、フロリダ州の宇宙基地からの有人打ち上げを復活させることを目標としています。スペースシャトル退役後、米国本土から国際宇宙ステーション(ISS)へ宇宙飛行士を輸送する手段は失われていました。NASAは宇宙飛行士をISSへ送り、地球へ帰還させるために、民間企業2社にカプセル型の宇宙機の開発を委託しています。スペースX社有人型ドラゴン(Dragon V2)と、ボーイング社の搭乗員輸送機 Crew Space Transportation(CST)-100 スターライナー(Starliner)がその機体で、現在精力的に開発が進められています。

ボーイング社スターライナーは、アトラスVロケットに搭載されケープカナベラルのLC41射点から、スペースX社有人型ドラゴンは、ファルコン9ロケットに搭載されケネディ宇宙センターLC39射点から、打ち上げられる予定です。無人と有人に於ける飛行試験を行った後、各社それぞれが「国際宇宙ステーションへ搭乗員を送迎する6回のミッションを2019年に開始し、2024年まで継続する」よう、NASAのお墨付きが出る計画になっています。

ボーイング社では、現在3機のスターライナーをケネディ宇宙センターの組み立て施設内で組み立て中です。カリフォルニア州ハンティントン・ビーチでは、構造試験モデルを使った荷重・衝撃・分離試験が実施されています。ニューメキシコ州ホワイト・サンズでは、サービスモジュールのスラスタの燃焼試験が、カリフォルニア州エル・セグンドーでは、熱真空・電磁環境試験が予定されています。

スターライナー用の宇宙服生命維持システムを含めた、全体システムの検証試験が続けられています。アトラスVロケットとの結合・射場準備・改修はほぼ完了しています。緊急脱出用の4基のエンジンと48個のスラスターの試験は、ホワイト・サンズで実施中です。打ち上げ時の緊急脱出システムは、緊急の際、アトラスVロケットから約6秒間で1.6kmの高度まで距離をとれるよう、アボート用の4基のエンジンと20基の軌道制御エンジンを同時に噴射することで合計18万8,000ポンドの推力を発生させるもので、2018年中に射点上での緊急脱出試験を行う予定です。また、着陸用パラシュート展開試験は、今年も続けられます。

最初のスターライナーは、無人でISSに向けて打ち上げられ、ISSに2週間滞在した後、米国西部に帰還予定です。スターライナーの最初の有人飛行には、2名の宇宙飛行士が搭乗します。回収運用に関する訓練とリハーサルも今後実施します。スターライナーは陸上に帰還する設計ですが、洋上への緊急帰還に備えた準備も行います。

スペースX社では、現在6機の有人型ドラゴンが製造されています。構造認定モデルに関しては、2018年上半期に試験終了予定、4人の宇宙飛行士用のカスタムメイドの宇宙服も既に製造中です。

2018年第二四半期に予定されているデモンストレーション・ミッション1(Demo-1 Flight)は、無人飛行試験となります。Demo-1 Flightに使われる機体は、アビオニクスの起動と与圧セクションのインテグレーションも終了しています。
2018年第三四半期には、有人のデモンストレーション・ミッション2(Demo-2 Flight)が予定されています。無人飛行試験と有人飛行試験の間に、ケネディ宇宙センターのLC39A射点では、ファルコン9ロケットと有人型ドラゴンを使用した飛行中脱出システム試験(In-Flight Abort Test)が行われる計画です。有人型ドラゴンに装備した強力なSuperDracoスラスタを噴射することで、緊急時にはロケットからDragonカプセルを安全に退避させることができます。

有人型ドラゴンの打上げに使われる改良型ファルコン9ロケット1段のBlock 5 M1D(Merlin 1D)エンジンと、2段に使われるMVacD(真空環境対応用のMerline 1D)エンジンの認定試験も精力的に進められています。また、3Dプリンターで製造したSuperDracoスラスタの燃焼試験準備も整いました。射点のアップグレードも継続されており、パラシュートシステムの試験や回収試験なども行われる予定です。

source : NASA

NASAが2018年1月11日に公開した最新の飛行試験スケジュールは、以下の通りです。

  • ボーイング社軌道飛行試験OFT(Orbital Flight Test) (無人) : 2018年8月
  • ボーイング社有人飛行試験CFT(Crew Flight Test) (有人) : 2018年11月
  • SpaceX社 デモミッション1 (DM1) (無人) : 2018年8月
  • SpaceX社 デモミッション2 (DM2) (有人) : 2018年12月

source : NASA


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