太陽系外からの訪問者現る

最終更新 2017.11.22

2017年10月19日に、NASAの地球近傍天体観測プログラムに参加しているハワイのパンスターズ1望遠鏡により、ある天体が発見されました。小惑星11/2017 U1(オウムアムア ‘Oumuamua)と名付けられたその天体は、幅に対し長さが10倍以上、少なくとも400mある葉巻形です。その奇妙な縦横比は、天体の観測から、規則的に10倍もの明るさの変化を見せたことにより明らかになりました。

不思議なその形状を解き明かしたのは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)が運営するチリにある超大型望遠鏡VLTを含む複数の地上望遠鏡による測定で、4種類のフィルタを使った観測が行われた結果、その天体は7.3時間ごとにその軸が回転するために、明るさに10倍もの変化があることがわかりました。我々の太陽系内で通常見られる天体では、せいぜい3倍の縦横比が見られる程度で、きわめてまれな形状です。

また、オウムアムアは、太陽系外から急速に接近し、太陽系を通っていく軌跡を示しています。数億年にわたりどの恒星にも所属しておらず星間をさまよったと見られており、こと座のヴェガの方向から(太陽から見たときの相対速度)秒速26.4kmで太陽系に接近し、9月9日に太陽を通過する時には秒速87.3kmまで達しました。

当初は彗星ではないかと考えられていましたが、オウムアムアが太陽の近くを通過した時にもその表面が活性化して彗星状にはならず、赤みがかっているのは、オウムアムアは密度が高く岩から構成されており、場合によっては金属の可能性もあり、水や氷は含まず、数億年にわたり宇宙放射線にさらされた影響と考えられます。

理論的にはこのような太陽系外から来る天体が存在することは信じられていましたが、今回初めて発見されたことにより、直接の証拠が得られました。これにより太陽系の外での系外惑星の形成に関する手がかりを得られる可能性もあることから、天文学者達は期待を膨らませています。

オウムアムアは急速に離れていっているため明るさも微かとなっていますが、地上の大型望遠鏡はまだ観測を続けています。また11月20日の週には、NASAのハッブル(Hubble)宇宙望遠鏡とスピッツァー(Spitzer)宇宙望遠鏡が観測を行います。11月20日時点で、オウムアムアは太陽との相対速度秒速38.3kmの速さで遠ざかっており、地球からおよそ2億km(おおよそ火星と木星の間の距離)の位置にあり、太陽系の公転面からは傾斜角20度の角度で進んでいます。

オウムアムアは、火星の公転軌道を11月1日に通り過ぎ、2018年5月には木星軌道を通過、2019年1月には土星軌道を超えて、太陽系からペガサス座方向を目指して離れて行きます。地上望遠鏡での観測は、天体が検出できなくなる12月半ばまで続けられます。

source : NASA


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