打ち上げ予定の欧米の太陽観測衛星の状況

最終更新 2017.10.06

9月25日、メリーランド州ローレルにあるジョン・ホプキンス大学応用物理学研究所で、NASAのパーカー・ソーラー・プローブ(Parker Solar Probe)の機体がメディア公開されました。パーカー・ソーラー・プローブは、太陽を観測する下記4装置を搭載し、2018年の7月31日~8月19日の期間で打ち上げが予定されています。金星に接近して重力アシストを受ける7回のフライバイを実施し、7年以上かけてその軌道は太陽へと近づきます。太陽に最も近づいた時の速度は、時速約70万kmでフィラデルフィアとワシントンを1秒で結んでしまうほどの速さです。

NASAのWebページのタイムラプス映像で、パーカー・ソーラー・プローブの耐熱シールドの取り付け確認の状況が紹介されています。この耐熱シールドは、太陽に最も接近する時には摂氏1377度にもなりますが、内部のペイロードは室温程度に保護するためのものです。耐熱シールドの厚さは約11.4cm、直径約244cmほどで、特殊コーティングされた炭素複合素材です。パーカー・ソーラー・プローブの軌道は太陽水星間の10分の1以下の距離、太陽表面から592kmまで近づきます。1976年に太陽から43200kmまで近づいたヘリオス2の記録を遥かに超えるものとなります。

  • 電子および磁場等の観測装置(FIELDS:Fields Experiment)
  • 電子、陽子、重イオンを観測する高エネルギー(10-100MeV)粒子観測装置(IS☉IS:Integrated Science Investigation of the sun)
  • 太陽コロナと太陽圏内部を撮影する広視野カメラ(WISPR:Wide-field Imager for Solar PRobe)
  • 太陽風内の電子、アルファ粒子、陽子の観測装置(SWEAP:Solar Wind Electrons Alphas and Protons)

一方、欧州宇宙機関ESAでも太陽観測衛星として、ソーラー・オービター(Solar Orbiter)が2019年2月に打ち上げられる予定になっています。こちらは、地球と金星の重力アシストを受け3年の後に太陽周囲を楕円に回る軌道で運用される予定になっています。太陽へは水星の周回軌道よりも内側となる太陽表面から4200万kmまで接近します。7年のミッション期間を想定しており、太陽赤道から25度の軌道傾斜角をとります。ミッション延長期間に入ると、金星の重力アシストで軌道傾斜角を34度まで傾け、太陽の高緯度地域の観測を行う予定になっています。ソーラー・オービターは現在、打ち上げに向けて様々な試験を行う前の観測機器(10個を搭載)の設置を行う最終段階に入っています。

source : NASA

source : ESA


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